2005年 4月 30日（土）

• 『週刊金曜日（05/4/22）』より。
  • 強制連行の記述も２社だけに（P12-、石井建夫「すべての教科書から「慰安婦」が消えた」）
    日中戦争が始まると、国内での労働力を補うために朝鮮人・中国人を日本に強制連行し、炭坑や鉱山で働かせた。その数は、朝鮮から約７０万人、中国華北地方から約４万人ともいわれている。また、強制連行は東南アジアでの鉄道建設、満州での労務などでも行われた。
    この事実は９７年度使用版、および現在使用している７社すべての教科書で強制連行（「強制的に連行されて」「強制的に連れてこられ」などの表現）として記述されてきた。しかし今回は日本書籍新社（「強制連行」）、清水書院（「強制的に連行」）の２社だけの記述になっている。…
    「連れてこられ」は扶桑社現行版と同じ表現である。しかも今回この表現にしているのは３社（東京書籍、教育出版、日本文教出版）ある。
    かつて東京書籍の教科書（９２年検定済）では、「戦時下の朝鮮人」という小見出しがつけられ、「強制的に日本に連れてきて」のあとに「１９４５年には、在日朝鮮人の人数は、それまでに移住してきた人々と合わせて、朝鮮総人口の１割に当たる２百数十万人に達した」という記述もあった。
    他社でも「約７０万人の朝鮮人」「約４万人の中国人」などと具体的な数字を入れて記述されていた。強制連行の記述も、語句が使用されなくなったと同時に抽象的になってきたのが特徴である。
    ↓
    こうした歴史的事実を伝えないことで得をするのは（＝ 本人が精神的に安定するのは）、戦前・戦中の価値観で生きている「侵略肯定派」「侵略美化史観」の人間だけでしょう。
    それ以外の圧倒的多数の日本国民や、周辺諸国の国民にとっては、大きな損失です。そのことに気付いていますか？
    --
  • 歴史を見つめることは「自虐」ではない（P24-、ハワード・フレンチ「中国の反日運動　補完し合う新たな関係を」）
    私は、『ニューヨークタイムズ』東京支局長を１９９９年から２００３年まで勤めた。その間、小泉首相による、常識で言うと攻撃的とも言える行動に、常に驚いていた。小泉首相の行動が、特定の利益団体（日本遺族会、あるいはより端的に言うと自民党信奉者の極右団体）にとらわれた政治家の冷笑主義によって動機付けられたのか、単に偏狭なナショナリズムによって動機付けられたのかは知るよしもない。しかし、靖国参拝や教科書への無干渉主義によって、小泉さんは、ほとんどの日本人がうすうす感じていると思われるような意味で、日本の利益を損ねた。
    特に、北朝鮮による拉致問題や、えひめ丸沈没事件の際に見せられた、近年の日本人の大変な騒ぎを見るたびに、小泉さんや他の保守派が、靖国参拝や歴史の削除によって中国などアジアの人々の気分が害されるということを理解できないふりをするのは、見ていていらだたしい。
    第２次大戦中の、日本のまだ認知されていない残虐行為による、多くの中国人や韓国人などの犠牲者や「慰安婦」の運命に対して無関心な反面、日本人の死者を授福するという、態度の大きな差は、洗練を欠く例である。まったく日本らしくない。歴史教育の問題においては、たった１つシンプルな質問をすることで、日本人が自分たちの国がどのように見られているかを理解できるだろう。もし、米国の教科書が広島や長崎に言及せず、あるいはこれらの都市への爆撃を「事変」であるとしたら、米国と友人であることができますか？　という質問である。
    日本の首相はいつアデナウアー、ブラント西独元首相のような視点を持つのであろうか。いつ日本の指導者は隣国との関係における袋小路から自分を引っ張り出す勇気を持つのだろうか。こんな質問に答えるのは無理であるが、日本の指導者が、歴史を誠実に受け入れることは自虐行為ではないと理解しない限り、日本は一流国の仲間入りはできないということは、はっきり言える。逆に言うとそれは、偉大であることの印である。
    ↓
    著者は、米紙『ニューヨークタイムズ』の東京支局長（1999〜2003年）です。実にまともな視点ですね（上記は抜粋ですが、ぜひ全文を多くの人に読んで欲しいと思います）。
    今回の例に限らず、日本の左翼の視点に近い外国人は多いようですが、日本の右翼の視点に近い外国人は皆無に近いようですね。このことを右翼の諸君はどのように考えるのでしょうか？　自分たちの考え方が、日本（の一部）でしか通用しない、ということに気付いていますか？
    日本の政治家は右寄りの保守派が多いので、 彼らの言う通りにしていると、ますます日本は世界的に孤立して行きますね。
    --
  • 韓国人は日本人の怒りを理解できるが、日本人は韓国人の怒りを理解できない（P63、西英子「論争　日本の戦後補償と韓国大統領の演説」）
    ２月２４日、名古屋三菱・朝鮮女子挺身隊訴訟で「日韓請求権協定によって原告の請求権は消滅した」との棄却の判決があった。その５日後の３月１日、ノ・ムヒョン韓国大統領の３・１独立運動８６周年の演説があった。
    「両国関係の発展には日本政府と国民の真摯な努力が必要です。過去の真実を究明し、真心をもって謝罪して、賠償すべきことは賠償して、和解しなければなりません。これが全世界が行っている歴史清算の普遍的方式であります」と述べた。…
    さらに大統領は拉致問題にふれ「日本国民の怒りを十分理解する」が、日本の植民地時代に「強制徴用から軍慰安婦問題まで、数千、数万倍の苦痛を受けた我が国民の怒りを理解すべきであります」と述べた。
    日本に強制連行された朝鮮人は７２万人といわれ、うち数千人が１０代前半の少女であった。日本人の校長や憲兵に「女学校へ行ける」とだまされて名古屋の三菱重工へ約３００人が連行され、うち７人の韓国女性が訴訟を起こした。帰国後は軍「慰安婦」と同一視されて差別に苦しむ６０年をおくった。それらの事実は裁判では認定されたが、損害賠償請求は棄却された。
    大統領は「わが国民もフランスのように寛大な隣人として、日本と共にありたいと願う」が、日本の自己反省がなければ「いくら経済力があり軍備を強化しても、隣人の信頼は得られない」と日本の知性に訴えている。
    ドイツの戦後は自国の戦争責任の反省と被害諸国民への補償から始まった。ドイツが占領したフランスに対する補償、諸外国の強制労働被害者百数十万人へ補償をして友好関係を回復した。
    ↓
    だから、事実に基づく歴史を教育する必要があるわけです。
    「日本に強制連行された朝鮮人は７２万人」という歴史的事実を知らない日本人が多すぎる！

2005年 4月 24日（日）

• 『週刊金曜日（05/4/15）』より。
  • 国は国民を守らない（P7、石坂啓「風速計　自衛隊が行ったから」）
    香田証生さんを助けるべきだったと、いまでも思う。
    『交渉人』という映画をご存知だろうか。皮肉なことにアメリカの、よくできた作品なのだが、人質をとってたてこもった犯人と交渉する役割の警官が主人公である。この中でくり返し出てくる大原則。絶対に使ってはいけないことば、それは「NO」だ。犯人がどんなにムチャな要求をしても、「ダメだ」「できない」は厳禁。犯人を刺激するから。
    たしかにもし私の子どもが誘拐されて犯人から電話があったときに、夫が「NO」と言って電話を切ったとしたら、私は夫を殴ると思う。どんなに理不尽な要求をされたとしても、「今日で会社をやめろ」「テレビに出て裸踊りをしろ」でも、「できない」ではなく「検討してみる」「いま進めている」で時間は稼げる。コイズミサンが策もなく「テロには屈しない」と言下に放ったことは、犯人側にとっては「殺してもらってけっこう」と同義語だ。…
    人質にされた人々は、民間人がイラクに行ったからつかまったのではない。自衛隊がイラクに行ったから、つかまったのだ。象徴的だと思う。国は国民を守らない。国が守るのは「国体」である。
    ↓
    小泉純一郎首相には、自分の発言が香田さんの命を奪ったという自覚が無いのでしょうか？（たぶん、無いのでしょう）
    自分自身を守ることだけで精一杯な日本の政治家たちを見ると、右翼じゃないけど「憂国の情」に駆られます。
    --
  • トヨタ式「敵対的買収」の実例（P22-、佐高信インタビュー「トヨタ自動車とＵＦＪが組んだミサワホーム乗っ取り劇に創業者の三澤千代治氏が激怒　「トヨタは“人殺し”で儲ける会社だ」」）
    三澤：まあ、竹中平蔵さんは、ミサワホームに何回も講演に来ていますから、電話が来てもおかしくはないんです。奥田さんと最初は世間話をしていましたけど、まどろっこしいから、「人と金を出してくれるのですね」と切り出したら、「出すよ」と。そうしたらちょっと話が途切れて、奥田さんが「社名を……」と言い出した。それは駄目です。「６０歳を過ぎて婿にいくような話では困ります。ミサワホームでないと」と、私は断ったんです。
    佐高：会社のイメージもありますからね。
    三澤：それでまずくなったんですね。沈黙があって、私が、文明５０文化５０って話をした。車は文明の利器。だけど住宅は文化が５０ないとだめだと。住宅は竪穴式、高床式、寝殿造り、書院造り、数寄屋造りなどとだいたい４００年かけて変わってきた。今は２０００年だから、また何か変わっていくことは間違いない。そんな話をしていたら、奥田さんが、何かつまんない話をしてるなあ、という顔をしているわけです。しょうがないから、「奥田さんは１年に何人、人を殺しているんですか」と聞いたんです。
    佐高：そんなストレートに聞いたんですか。
    三澤：ええ、でも黙っているんですよ。トヨタの最高責任者が、何人交通事故で死んでいるかってことに意識すらないことはひどいと思った。
    ブリヂストン２代目会長の石橋幹一郎さんは退任したときに、「タイヤ公害はひどいんだよ」と言っていた。「これが社会問題にならずにすんで ほっとしているんだ」と。ああ、経営者にはそういう見識がないとだめなんだなと思いました。私は、そういう認識が頭の片隅にあったもんだから、奥田さんの態度に驚いたんですね。しかも奥田さんは隠しているのではなく、意味が全然わからないらしい。だから私が、１２万人の死者でトヨタは１兆円の利益を上げているんですよ、と。
    世界の交通事故死者を１２０万人と発表している。怪我は５００万人です。そしてトヨタのシェアは世界で１０％なのです。
    だから、私は少し小さく「１０万人くらいですよね」と言ったんです。そうしたら奥田さんは何を言っているんだという顔をしていましたよ。もうそれからはお互い口を聞かない。早く部屋を出たくてしょうがない。
    佐高：ははっ（笑）。奥田さんとは初対面だったのですか？
    三澤：そうです。豊田章一郎さんには、住宅の実験工場など、いろいろ案内してもらったりした。親しくしていましたから、旧知の章一郎さんと会えばよかった。
    奥田さんにはこうも言った。今では、夜にセンサーが働いて、障害物があるとブレーキがかかる装置があります。最高速度を抑えるスピードリミッターだってあります。だけど、トヨタの年間生産台数７００万台に装備すれば、トヨタの利益はすっとんじゃう。
    私は「自動車会社としてやるべき順序があるんじゃないですか」、と言ったんです。スピード（超過が原因の）事故は全体の４割なんです。だから４割は減るよと。だけど、もうそのときは全然関心ないとなっていましたからね。それで、４５分くらいでしたからね。もう部屋出たら、奥田さんはさっと行ってしまった。普通はエレベーターホールまで送ってくるでしょう。まあ喧嘩ですよね。
    その後、トヨタ社内で相当怒っていたらしいですよ。「自動車産業を人殺し呼ばわりしやがって」と。
    そうはいってもまずいから、私はみなさんに会いたいと手紙を出した。豊田名誉会長さん、奥田会長、社長に手紙を送ったんですが、返事が来たのは名誉会長だけ。
    だけどその後、ＵＦＪが、私が会長を務め、ミサワホームが支援した環境建設への融資を打ち切って潰したんです。
    ↓
    トヨタ自動車の奥田碩会長らしい冷血さが良く現れていると思います（笑）。ＵＦＪ銀行を動かし、ミサワホームを産業再生機構へ送り込み、「引受先」としてトヨタが名乗り出る、というシナリオの通りに進めましたね（ミサワホーム代表取締役には、トヨタホーム東京社長が就任する予定、とのこと）。 ライブドアも真っ青の「強引な敵対的買収」を、トヨタが仕掛けていたわけです。経団連会長として奥田氏は、ライブドアについて 何か偉そうなこと を言ってましたが、良く人のことが言えましたね。
    他にも、電通を使った報道規制疑惑など、トヨタの裏の顔を知ることができます（こういう記事は『週刊金曜日』でしか読めなくなってしまいました）。

2005年 4月 22日（金）

• アジア植民地支配と侵略　小泉首相「反省、おわび」歴史認識 理解求める（毎日新聞・夕刊）
  小泉純一郎首相は22日午前（日本時間同日午後）、ジャカルタで開幕したアジア・アフリカ会議（バンドン会議）50周年記念首脳会議で演説し、「わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」として「痛切なる反省と心からのおわびの気持ち」を表明する。95年の村山富市首相談話に沿った表現だが、日本の首相が国際会議で「反省とおわび」を表明するのは異例。中国と韓国が日本の歴史認識批判を強める中、政府の公式見解を明示することで国際的な理解を得る狙いがある。
  ↓
  おお、（これまでの言動から、小泉の本心かどうかは非常に怪しいですが）日本が行った植民地支配と侵略を反省・お詫びするという言葉が出てきました。「これで日本も少しはマシな方向へ進むか？」と思っていたら、、、
  --
• 衆参80人靖国参拝　副大臣、政務官各２人も　春の例大祭（毎日新聞・夕刊）
  超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」（会長・瓦力元防衛庁長官）のメンバー80人が22日午前、東京・九段の靖国神社を春の例大祭に合わせて参拝した。参拝したのは綿貫民輔前衆院議長、古賀誠元自民党幹事長ら大半が自民党議員。同会によると、内訳は衆院49人、参院31人で、民主党からも２人参加したほか、代理出席を含めると計168人に上った。
  ↓
  日本の国会議員たちは、植民地支配と侵略の責任者（Ａ級戦犯）らが祀られている靖国神社に参拝した、と。
  「日本の反省・おわび」は口先だけということがハッキリしましたね。非常に残念です。
  それに加えて、日本の首相の言葉の軽さが国際的に印象づけられてしまいました。言行が一致していないと、信頼を失うばかりです。
  ドイツの首相が「ナチスによる侵略を反省している」と発言した日に、ドイツの国会議員たちがヒトラーの墓参りをしているようなものですからね。

2005年 4月 17日（日）

• 『週刊金曜日（05/4/8）』より。
  • 憲法はバランスが悪くていい（P12-、高橋哲哉「憲法が縛るのは民ではなく権力」）
    憲法は主権者が国家権力者に対して守らせるものであり、「みんなで憲法を守りましょう」と権力者が言っていることにだまされてはいけない。これを改めて確認すべきだと思います。
    憲法を立てて国を営む民主主義国家では、主権者は民。民が国家権力を構成するが、民が権力を委ねた人たちが権力を濫用する危険があるため、権力を委ねられた人たちが何をしてよくて何をしてはならないかを予め規定しておく。それが憲法です。だから憲法は民が権力者を統制、拘束するものです。
    改憲派の人たちはよく「日本国憲法はバランスが悪い」と言います。「憲法の『国民の権利及び義務』では権利という言葉が１６回、自由という言葉が９回出てくる。あわせて２５回。義務が３回。責任が４回。あわせて７回。こういうバランスの悪い憲法だから利己主義がはびこり、モラルハザードが起こる。だからバランスのいい憲法に変えなければいけない」という具合です。これはそれなりに受ける言い回しです。でも立憲主義に関する認識があまりにもなさすぎると言わざるを得ません。
    ↓
    つまり、政治家や官僚といった権力者（正確には、「権力を委ねられた人たち」）は、「国民の義務と責任」よりも「国民の権利と自由」の方を重視しなければならない「義務」があるということですね。
    ただ、彼ら権力者の立場からすると、現状のままでは（自分たちが憲法によって統制・拘束されているので）国民を支配するのに都合が悪いから、「国民の権利と自由」を制限し、「国民の義務と責任」を増やしたい。そして、そのために憲法を改変しようと企んでいるわけです。だまされないようにしましょう。＞主権者である国民の皆さん
    --
  • 憲法改定国民投票の「方式」にも注目を！（P18-、隅野隆徳「これだけは知っておきたい「国民投票法案」Ｑ＆Ａ」）
    …たとえば、憲法９条の改正案と、新しい人権として「環境権」規定の憲法への導入案とがセットで、国会の発議内容となった場合を考えてみましょう。国民は９条改定に反対だが、環境権規定の導入は賛成という場合も、その逆の場合もありうるでしょう。しかしその場合、国会の多数党の都合で両者一括で国民投票となれば、国民は判断に迷うこともあるでしょう。したがって憲法改正国民投票において、改正条項を一括にするか項目別にするかは、国会側の判断でなされてはならないのであって、主権者である国民の立場でなされなければならないのです。すなわち、主権者である国民が改憲条項につき個別に自らの意思を明確に表示できるものでなければならないのです。
    この点で、米国の諸州の憲法では、憲法改正に州民投票の規定を持つ例があり、その多くでは、条文ごとに用紙に賛否を記入する分離投票方式を採っています。
    ↓
    常識的に考えれば、「一括」ではなく「項目別」に判断する方が合理的なのは明らかです。しかし、改憲勢力の目的は「どさくさに紛れて憲法９条を改悪すること」ですから、間違いなく「一括」を狙ってくるでしょうね。
    日本を「戦争のできる国」にしたい自民党や民主党の主力メンバーらは、「一括」を押し通すために、どんな屁理屈を出してくるのでしょうか？　注目しましょう（笑）。
    --
  • 臓器を切らずに治す「小線源療法」（P52-、黒川宣之「多重がんに見舞われて・１２　３泊４日の入院で前立腺治療　進歩めざましい放射線療法」）
    前立腺がんを治療するため私は２３日間入院して前立腺やリンパ節を切除、退院後も１カ月近い自宅療養を余儀なくされた。その前立腺がんを、臓器を切ることなくたった１日で治療する小線源療法（ブラキセラピー）の新しいやり方が日本でも一昨年認可された。…
    ヨウ素125はエネルギーが低く、放射線の強さが半分に減る半減期が６０日と長い。体内に入れたままでも被爆の恐れがないので、欧米では１０年以上も前から永久留置の線源として使われていたが、日本では使用が認められていなかった。
    生存率が手術に劣らないほど高く、患者への負担も少ないことを認めた厚生労働省は、藤野（邦夫）さんが発病した翌月の０３年７月、この使用を認可した。藤野さんは米国の前立腺がん研究センターでこの療法を学んできた、東京慈恵会医科大学付属病院の青木学医師を探し当て、０４年１月治療を受けた。
    超音波映像で腫瘍の位置と形を正確につかみ、輸血用の注射針ぐらいの太さの針を２０本ほど会陰部から病巣に刺す。この針を通して、線源の入ったシャープペンシルの芯ほどの微小なチタン製カプセルを８５本ほど埋め込んだ。所要時間は約１時間半。痛みはほとんどなく翌々日には退院、その日から普通に仕事ができた。頻尿などの副作用があるが、藤野さんにはいまのところ出ていない。保険が効き、費用は３３万円だった。
    ↓
    素晴らしいですね。こうした先端医療を、（ごく一部とは思いますが）「旧守派」の医師たちが邪魔しないことを祈るばかりです。

2005年 4月 13日（水）

• 中国首相「日本は歴史尊重を」常任委入り問題　反日デモを肯定（毎日新聞・朝刊）
  中国の温家宝首相は12日、訪問先のニューデリーで記者会見し、日本の国連安保理常任理事国入り問題について「歴史を尊重し、責任を負う国だけがアジア、世界人民の信頼を勝ち取り、国際社会でさらに大きな役割を果たすことができる」と述べ、歴史問題の解決が前提となるとの見解を示し、日本に対し、中国で起きた反日デモを教訓とするよう求めた。…
  温首相は会見で「中日関係の核心的問題は日本が正確に歴史に対処することだ。日本は侵略戦争を引き起こし、中国、アジア、世界人民に巨大な苦難を与えた」と指摘。その上で、「最近、日本の隣国や中国で日本の常任理事国入りに対するデモ活動が巻き起こった。アジア人民の強烈な反応について、日本当局は深刻に反省すべきだ」と述べ、反日デモに肯定的な見解を示した。
  温首相は一方で「中日両国は隣邦であり、中日友好は歴史から得た結論だ」と指摘。日本との友好協力関係を継続させる意向も示した。
  インドの常任理事国入りについては「国連でさらに大きい役割を演じたいというインドの念願を理解し支持する」と明言し、安保理拡大自体には異論をはさまなかった。
  ↓
  中国の温首相の言葉は正論ですね。客観的事実として、 先の大戦でアジアの２０００万人を殺した日本人が、いまだに反省せずに、侵略を美化する教科書を作りしかも政府がお墨付きを与えたり、侵略の責任者（Ａ級戦犯）を祀る靖国神社に首相が毎年公式参拝したり、自衛隊をイラクへ派兵（国際刑事裁判所の定義によると、これだけで「侵略」に相当する）したり、現在進行形でこんな行動をしていては、とても周囲の国々（特に、日本が侵略した国々）から信頼を勝ち取れるとは思えません。
  はっきり言って「ガキ」なんですね、日本という国は。「ガキ」＝「幼稚」＝「相手の（この場合は侵略された国々の）立場に立って、考えることができない」＝「自分のことしか考えていない」＝「独善」しかも、ふんぞり返って、それで良しとしている（ああ、情けない…）。国際社会から見れば、いい笑いものですよ。そんなガキに、大人の立場から「たしなめる」役割を温首相がしているわけで、世界的に見ても日本を応援する国は少ないでしょう。
  正直な話、 いい役どころを中国に持ってかれたなー、と思う。
  アメリカがイラクへの侵略を準備しているときに、日本がアメリカに対し「お前がやろうとしていることは侵略だから、ダメだ。友人として忠告する」と、大人の立場から「たしなめる」役割を果たせていたら、どんなに良かったか…。せっかくチャンスがあったのに、結局、小泉自民党公明党政権はブッシュ米政権に盲従してしまいました（しかも、侵略開始直後、即座に支持していたので、輪をかけて情けない…）。
  --
• 「安全確保は中国に責任」首相が反論（毎日新聞・朝刊）
  小泉純一郎首相は12日、反日デモの原因は日本の歴史認識にあるとする中国外務省の主張について「それは日本（の考え）と違う。日本人の中国における活動が、自由にできるように、安全確保は中国側に責任がある」と反論した。
  ↓
  はァ？　先に手を出したのは、日本側でしょうが…（教科書問題も、靖国問題も、自衛隊イラク派兵も、そもそも第２次大戦時の侵略も）。もし日中が逆の立場だったら、私もデモに参加したと思いますよ。今回の反日デモの原因は、小泉自民党公明党政権の「偏向した歴史認識」にあります。
  あと、「それは日本の考えと違う」じゃなくて、せめて「それは私の考えと違う」と言ってほしい。＞小泉純一郎
  日本中が小泉や自民党や公明党と同程度の幼稚な頭脳しか持っていない、と誤解されるではないか。

2005年 4月 10日（日）

• 『週刊金曜日（05/4/1）』より。
  • 市民の自由を抑圧する思想警察 ＝ 公安（P8-、司会 魚住昭「報道されない「暴走する公安警察」　大手メディア記者覆面座談会」）
    魚住「それでは、公安警察とマスコミの関係はどうですか。新聞やテレビの報道ぶりを見ると、特にフジテレビや『産経新聞』と公安の関係が良好のように思えるんですが。」
    Ｃ　「公安の広報媒体みたいなものですよ。例えば「ＪＲ労組に革マルがいる」なんていう記事はフレームアップがすごすぎて普通は書けないけど、フジテレビや『産経新聞』は平気でやりますからね。」
    魚住「ＮＨＫは？」
    Ａ　「あそこは外部からのクレームに弱いからあまり流せないみたいです（笑）。」
    Ｃ　「それにしてもライブドアにフジテレビが乗っ取られて困るのは警察の公安部なんじゃないですかね。実際、公安部員が気にしていたという話も聞くし。」
    一同「（笑）」
    Ｂ　「公安はたまに共同通信も使いますね。通信社は性質上、時間に関係なくどんどん報道しますから使い勝手がいいんでしょう。…」
    …
    Ａ　「一連の卒業式の「君が代」拒否に対する弾圧も（公安が）都知事の機嫌を取っているのでしょう。予算がほしいですからね。石原（慎太郎）さんを喜ばせるために知恵をしぼる。あとは保身のために情報を操作するのもうまいですね。イラクでの人質事件の「自作自演」情報を流したのも公安警察です。当時、人質になった高校を卒業したばかりの青年が革マルだという情報が流れました。彼がある雑誌に原稿を書いたことがあるんですね。その雑誌は、革マルが関与しているといわれている某労組の資本で成り立っている。だからその青年も革マルだという論法です。その雑誌は公安部が監視していますから、彼が寄稿したことは容易にわかる。」
    魚住「その「自作自演」情報に自民党が乗り、右派のマスコミが乗って騒いだわけだ。」
    Ｃ　「もし人質が殺されてしまった場合、「善意の市民」だと問題が大きくなるけど、「革マルならいいだろう」という雰囲気が作られますからね」
    Ｂ　「邦人救出の海外展開チームを警察の中に作ったので、もし救出に失敗したら自分たちに責任が生じます。それに救出失敗の際の政府のダメージを緩和するためにもそんな情報を流したんでしょうね」
    Ｃ　「公安部の人間は捜査そのものが一罰百戒だと真顔で言いますからね。特高警察以来の性質でしょう。横浜事件のように６０年後に再審になっても、そんなことは彼らにとってはどうでもいいことなのです。見せしめにするのが捜査の目的。それとなんら変わりませんね。「人質事件」にしても活字で「革マル」だと書かれてしまうと、イメージが定着して拭えなくなりますからね。」
    ↓
    反戦ビラや「日の丸・君が代」反対ビラを配っただけで市民を逮捕する公安警察。その実態を伺い知ることができます。
    しかも、また出てきましたね、フジサンケイグループ（笑）。いや、笑ってる場合じゃないか…。
    --
  • 公安警察と右翼は一体だ！（P13、鈴木邦男「右翼を育てている公安の実態」）
    以前街宣車で、他の右翼と一緒に何十台も連ね、赤信号を無視して走ってたことがありました。それを見て、交番から警官が「赤信号だぞ」と注意したら、後ろから公安の刑事が飛んできて「馬鹿野郎！　これは俺たちが面倒を見ているんだ」と怒鳴っていたのを目撃したことがあります。これは一例ですが、公安と右翼は仲間意識みたいなものを共有しているのは事実ですね。ですから同じ警備対象でも、左翼への対応とは全然違います。
    公安は、大半の右翼団体の事務所にはフリーパスで入れますし、大会はもちろん、彼らの会議にも顔を出す。そこで、一緒に日教組などに対する行動について打ち合わせしているんです。パーティー券や機関誌も購入してやり、日教組大会へ攻撃に行くときは餞別を渡しますね。酒の席を囲むこともよくあって、「先生」などとおだてながら、「共産革命のときは、われわれもピストルを持って皆さんと一緒に闘いますよ」などと取り入り、よく情報交換をしています。右翼が交通事故を起こせばもみ消してあげるなど、いろいろな形で恩を売ることもやる。
    ひどいのになると、右翼でも何をしていいかわからない連中に公安がやってきて、綱領を作ってあげたり、機関誌の原稿を書いてやったり、中には団体の名称まで考えてやる例もあるんです。…
    また、右翼はヤクザと混在している部分もあり、薬物を使用した構成員に「告訴されたら恥ずかしいでしょうから、日教組かどこかに突入してもらって、政治事件で逮捕されたことにしましょう。薬物の罪は裁判が始まったら起訴状に追加しますから、新聞には出ませんよ」などと扇動した例も知っています。
    もっとも右翼が起こした事件の中で公安が扇動したケースはそう多くはないでしょうが、これではマッチポンプですよ。僕に言わせれば、公安こそが治安を乱しているんです。僕はこのような組織は、もう不要だと思う。
    ↓
    時代遅れで不要であっても、中にいる人間（公安警察の構成員）は必死で自分たちの地位を守ろうとしますから「どんな手段もいとわない」ということになるのですね。
    それにしても、このように我々一般市民にとって有害でしかない公安の活動費用も、元は我々の払った税金ですから、腹が立ちます。その一部が、右翼に流れているのも、事実ですね。
    なお、このコラムの著者である鈴木邦男氏は右翼ですが、客観的な事実の把握と論理的な思考のできる方だと思います。

2005年 4月 6日（水）

• 社説　教科書検定　国の関与 薄める工夫を（毎日新聞・朝刊）
  来春から使われる中学校教科書の検定結果が、公表された。韓国、中国から「歴史をわい曲している」などの批判を浴びた扶桑社版の歴史教科書に対しては、文部科学省の教科書図書検定調査審議会から１２４件の検定意見が付けられた。執筆者側はすべて修正に応じ、合格した。
  扶桑社版で問題になったのは、近現代史における日本の行動を正当化する記述が目立つ一方、植民地支配での加害行為や負の側面には、ほとんど触れていない点などだ。例えば「朝鮮半島では日本式の姓名を名乗ることを認める創始改名が行われ、朝鮮人を日本人化する政策が進められていた……」とあるのに対し、検定意見は「戦時下の植民地の実態などについて誤解するおそれのある表現」と指摘した。執筆者側は、「日本式の姓名を名乗らせる創始改名」としたほか、「現地の人々に様々な犠牲や苦しみをしいることになった」との表現を加えた。全体を通して独善的な記述は減ったが、「反自虐史観」の基本姿勢は今回も貫かれており、なお不審を抱く向きもあるだろう。…
  渦中の竹島について、「韓国とわが国で領有権をめぐって対立している」（扶桑社）との説明に、「領有権について誤解する恐れのある表現」との意見が付き、「我が国固有の領土であるが、韓国が不法占拠している」との記述に改められた。また自衛隊のイラク派遣についても「戦後初めて戦地であるイラクに」（日本書籍新社）は、「イラクの中の『非戦闘地域』」 になった。
  ↓
  その時の政府の方針・政策によって、教科書の記述がコロコロと変わるんですね、日本という国は（事実上の国定教科書なので、北朝鮮を笑えませんね）。
  教科書を「政府の宣伝」に利用しようとする政治家と、教科書で「侵略美化史観」を子どもたちに押しつけようとするフジサンケイグループの扶桑社。
  毎日新聞の社説では「国の関与を薄めるしかない。検定をやめ、自由発行制にするのが望ましい」と書かれていますが、よりハッキリ言えば「国の関与を無くすべきだ！」ということでしょう。この点に関して、異論はありません。しかし、それだけでは危険とも言えます。現場の教師に教科書選択の自由が保障されていれば良いのですが、最悪の場合、教育委員会お得意の「圧力」で、「（検定すら通していない）ウソ満載の扶桑社版の教科書」の使用を各学校に強制する、という可能性がありますから。

2005年 4月 5日（火）

• 『週刊金曜日（05/3/25）』より。
  • 東京都　国立第二小学校「日の丸」掲揚の真実（P34-、田中伸尚「教育ドキュメント　不服従の肖像　第９回　強制異動」）
    ２０００年度の卒業式２日前の３月２２日夕方、職員会議が終わりかけたころだった。校長が突然、式の原案にはなかった「日の丸」の掲揚について「国旗を屋上に揚げます」と告げた。驚いた教職員は、みんなが納得するためには、もう一度話し合ってほしいと提案して、「問題」は２３日に持ち越された。翌日の職員会議は午後２時半から始まった。校長は前日より詳しい卒業式当日の「日の丸」の揚げ方を説明した。午前７時２０分に市教委職員が来校し、管理職と一緒に屋上で掲揚する、「それまでは教職員は校内に入らないように」、警察は校外で警備に当たる──ほぼこんな趣旨の説明だった。だれもが「どういうことか」と信じられないような口調で反論し、質問を重ねた。卒業式に警察を動員し、教職員を排除して市教委職員と管理職で「日の丸」を揚げるというのは尋常ではない。…
    ３月２４日、卒業式の朝、伴（はるみ）さんは ６時５０分に学校に着いた。 … 緊張感が漂う中で、職員会議は校門の外の路上で開かれた。校長は質疑には応じたが断固として教職員を中に入れようとしなかった。「旗を揚げることにだけ集中していたよう」に見えた。「会議」は４０分ほどで打ち切られ、校長・教頭は到着した市教委職員と一緒に校舎に入り、玄関に施錠をして、屋上へ向かった。間もなく屋上のポールに「日の丸」がするすると揚がった。７時５２、３分ごろだったと記憶する。「あーっ」。見上げていた教職員からそんなため息がもれた。無惨な光景だった。
    伴さんは放心し、ぼーっとしていた。「何でこんなことが学校という世界で許されるのか」。そんな思いだけが心に広がって、宙を彷徨った。ようやく気を取り直して、卒業式の始まる前に、他の教員と一緒に校長室に行き、伴さんは「いつ下ろしてくれるんですか」と訊いた。「３時までです」。校長の答えだった。「もう少し早くおろせないのですか」。「市教委に訊いてみます」。伴さんはそれで退室した。ところが校長に質問した行為が、後に「抗議」と一方的に断じられ、信用失墜行為として処分理由の１つにされる。
    「私は教職員を閉め出してカギまでかけて『日の丸』が掲揚されたことがとてもショックでした」。心がばらばらと崩れていくようだった。このやりきれない気持ちを何とか表現しなければ。伴さんはとっさに、手元にあったリボンで手製の簡単な「ピースリボン」をつくり、左胸に付けて卒業式に出た。ところが、これが戒告処分の２つめの理由にされた。同年８月１１日付の都教委の処分説明書にはこう書いてあった。「卒業式においてリボンを着けたことは、職務に専念する義務に違反する」。
    登校してきた卒業生たちは突然の「日の丸」掲揚に一様に驚いたようだった。子どもたちは、何の説明もなく「日の丸」を揚げた理由を、式後に校庭と屋上で校長に訊いた。当然だったろう。卒業生の中には、伴さんが１年２年で受け持ったクラスの教え子もいた。「子どもたちは、なかなか自分のことを話せなかったのに、堂々と意見表明しているのに感動しました」。ところが、この子どもたちの言動が４月５日付の『産経新聞』に「校長に土下座要求」などの見出しで大きく報じられた。伴さんが現場で見聞きしたのと大きく食い違う報道だった。二小と子どもたちは凄まじい攻撃にさらされ、脅迫状などにも襲われた。子どもたちは、「悪者」のように思われ、その後ずっとそんなイメージがついて回る。これら一連の出来事が、軟らかな子どもの心に深い傷を与えたことは多くの言葉を要さないだろう。…
    初めて「日の丸」が掲揚された年、二小では、伴さんを含めて当時の教員２２人中、６人が戒告、６人が文書訓告（他に職員１人）の処分を受けた。「ピースリボン」着用と「日の丸」の掲揚に対する「異議・質問」が理由にされた。最初に処分ありき、といわれるほどこじつけの処分だった。また、１校で職員の半数近くを処分というのも処分史上、稀有だ。現在の常軌を逸した都教委の暴走は、「国立」から始まったのである。
    ↓
    また『産経新聞』のウソ報道ですか（しかも、このウソ報道がきっかけで、子どもたちが攻撃された）。フジサンケイグループの罪は重いですね。
    卒業式における「リボン」の着用と、校長への「異議・質問」 だけで処分する東京都教育委員会は「思想警察」でしょうか。
    国立第二小学校長がここまで悪質な対応をするのは、本心での行動なのか？　それとも裏で脅されていたのか？
    本当に危険な時代に突入していますね、現代日本。
    --
  • 「少額訴訟」という知恵（P46、長谷川高「かんたん引越術３　敷金トラブルを避けるには？」）
    契約書を締結するときは、契約日の数日前に「賃貸借契約書」を入手し、一語一句読み込みましょう。この時、契約書の特約条項で明らかに借り手に不利な条文、たとえば本来大家さんが負担すべき修繕費用やクリーニング費用を問答無用に借り手に負担させるような内容が盛り込まれていた場合、堂々と「これはおかしいのではないか、変更してほしい」とはっきり伝えましょう。それでも頑として先方が条文を変更しなければ、「この内容では契約できません」と伝え、次の物件を探し始めればいいのです。心配することはありません。今の時代、よい物件は探せば必ずほかにも出てきます。すでに借り手側に選択権は移っており、不動産屋さんも借り手が選ぶ時代なのです。時代遅れの契約書を提示する不動産業者さんと、あえてつきあう必要はありません。
    それでも敷金返還に関するトラブルに実際に遭った場合はどうするか。「少額訴訟制度」を積極的に利用することをお勧めします。少額訴訟制度とは、請求額が６０万円以下の少額の訴訟で、弁護士を頼まずとも自分で簡単にできる制度です。各地の簡易裁判所において裁判が行なわれ、原則としてその日のうちに審理を終え、判決が出されます。通常の訴訟と異なり、簡単迅速な解決を図るものです。手数料も請求金額の１％ですから、仮に３０万円の請求額であれば、３０００円の収入印紙を納めるだけです。簡易裁判所に行くと、運転免許証の更新手続きのように、用紙の書き方などがわかりやすく解説されています。わからないことはその場で教えてもらえるので、法律の知識がない方でも利用できるようになっています。
    私の友人のカメラマンも敷金返還請求の少額訴訟を１人で行いました。先方はわざわざ弁護士を立て通常裁判に切り替えてきましたが、最終的には、彼の主張の大部分が認められ、敷金のほとんどが返還されましたよ。
    ↓
    あと、「入居前に、壁や床の傷や汚れを撮影し、写真に残しておく」ことも重要とのことです。
    「少額訴訟制度」は、言うまでもなく「敷金トラブル」以外にも使えそうですね。 覚えておきましょう。