2006年 8月 20日（日）

• 『週刊金曜日（06/8/11）』より。
  • フリーターの雇用に強力な味方が登場！（P6、金曜アンテナ）
    　若者を巡る労働状況は無法地帯だ。特にフリーターは使い捨てて当然とばかりにひどい扱いを受けている。そんなフリーターに、「フリーター全般労働組合」という強力な味方が現れた。
    　結成は2004年8月。「1人でも加入できる労働組合」として、フリーターの権利を守るべく立ち上げられた。労働相談や生活保護問題、フリーターバッシングに抵抗する言論活動などに取り組む。その団交に参加してきた。
    　ことの起こりは6月末。医療機関でアルバイトをする24歳の女性のもとに、深夜1時、院長から事実上の即日解雇を告げるメールが届いた。彼女は偶然知ったフリーター労組に相談。組合員となり、解雇撤回を求める団体交渉を申し入れ、数日後、団体交渉が実現した。
    　フリーター労組と向かい合う院長の顔には「なぜバイト1人クビにしたくらいでこんなことに？」という当惑が終始浮かんでいた。
    　結局、何度かの話し合いを経て解雇は撤回され、円満退職となり、給与の2カ月分が解決金として支払われることで和解した。
    　女性は「1人の人間として認めてくれて嬉しい。解雇されても大人しくしていた方がいいと思っていたけれど、行動を起こせばいい。それに団交できる人ってカッコいい」と語った。
    　若者の無知に付け込むような経営側のやり方に、フリーターはもう泣き寝入りすることはない。（雨宮処凛・作家）
    ↓
    利用しましょう。＞フリーター諸君
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  • 少なくとも「Ａ級戦犯分祀」ではなく「Ａ級戦犯合祀の取り下げ・取り消し」が必要（P66、片岡伸行「金曜日から」）
    　靖国神社へのＡ級戦犯合祀をめぐる議論は「あれ（1978年の合祀）以来、参拝していない」という昭和天皇発言によって「分祀をするかしないか」が１つの論点となっている。ところがこの議論には大きな誤解がある（本号特集・14ページコラム参照）。
    「分祀」とは、Ａ級戦犯（の祭神）が靖国からなくなるのではなく、別の場所にも祀られることだという。分祀をしてもＡ級戦犯は靖国に残る。これまでの議論は「分祀」と「取り下げ・取り消し」を混同していた。議論すべきは「取り下げ・取り消しをするかしないか」だろう。しかしそれでもなお、根本的な問題解決にはならない。
    　４月にこっそり参拝した安倍晋三官房長官は、参拝という宗教儀礼活動を公式の肩書きで行う一方、「政治が宗教に介入してはならないから（分祀や参拝について）言及しない」というチャンチャラおかしい二枚舌を使う。国の代表や機関の宗教活動を禁じた憲法２０条（加えて９９条）違反の行為こそがまずただされなければならない。違憲状況を既成事実化し、靖国を“戦争の装置”として復活させる。その狙いをつぶすことが靖国問題の核心だ。
    ↓
    分祀をしてもＡ級戦犯は靖国に残る のであれば、靖国推進派はＯＫを出すかもしれませんね。しかしこれでは、もちろん本質的な問題は解決されないままです。逆に「Ａ級戦犯を分祀しさえすれば良いのだろう」という言葉だけが先行していると、期待と異なる結果を生むことになり、かえって事態を複雑化する可能性があります。
    根本的に考えると、Ａ級戦犯の合祀だけが問題なのではなく、侵略戦争のシンボルであった「靖国神社」の存在自体が問題であると言えます（そして、その宗教施設を現在進行形で政治的に利用している小泉純一郎・安倍晋三ら右派政治家の行動も）。
    Ａ級戦犯の問題はもちろんですが、それだけではなく、もっと広い視野で「靖国」の問題点を考察する必要がありますね。視野を狭めようとするマスコミの手に乗らないように注意しましょう。

2006年 8月 16日（水）

• 終戦記念日の首相参拝は、ポスト小泉政権への置きみやげとなった。（毎日新聞・朝刊、社説「8・15首相参拝　こんな騒ぎはもうたくさん」）
  　小泉純一郎首相が、終戦記念日の15日に靖国神社を参拝した。…
  　終戦記念日に靖国参拝をした首相としては、21年前の中曽根康弘元首相がいる。この時は「公式参拝」の形式をとった。中国、韓国などから強い抗議が起き、外交関係が悪化したため、１度で中止したといういきさつがある。
  　この日に参拝すればやっかいな外交問題が再燃することを、小泉首相は承知していたはずだ。だからこそ、これまで首相は就任以来年１度の参拝を続けながら別の日を選んできた。「国内外の状況を真摯に受け止めた」（01年の首相談話）からである。
  　それなのに、今年は「いつ行っても批判、反発がある」と、外交的な自制を放り出してしまった。
  　小泉首相は一貫して「私的参拝」と位置づけ、戦没者への哀悼の気持ちをささげるという私的な感情によるものと強調してきた。しかし、すでに外交問題となっている以上、首相の私的感情ではすまない。
  　首相は日本国民を代表する立場にある。在職中の公私の区別は簡単に割り切れない。国内では、参拝と憲法の政教分離原則をめぐる見解の対立がある。神社に合祀されているＡ級戦犯の存在は、かつて日本軍が侵略した近隣国ではその国の国民感情を刺激する。
  ↓
  小泉首相お得意の「心の問題ですから」戦法は、立場の弱い人間に不利なようにできています。
  現在、小・中・高の教育現場では生徒や教職員に「日の丸・君が代」の強制が行われていますが、「心の問題ですから（歌いません）」と小泉首相のマネをしてみるとどうなるでしょうか？　例えば、教員の場合、遠方への配転（いやがらせ）や減給やクビなどの実害が待っています。教育委員会が権力を握っているため、立場の弱い人間（ここでは「教員」）は、自分の信念に基づく行動を取ることが許されないのが現実です。逆に、権力者の側が「心の問題ですから（強制します）」というと、そのまま実行に移されてしまいます。それがどんなに没論理・非人道的な行動であっても、制止する人がいませんから、やりたい放題です（言葉で表現する人はいても、失職などの実害は無いので、実質的には痛くも痒くもない）。これと同じ構造で、自民党の総裁（＝日本国の首相）ともなると、誰も制止できなくなるのですね。「党の代表」であっても、完全に「個人の好み」だけで無責任に行動することが許されてしまう自民党。小泉首相も、失職の恐怖が無いから、増長してしまうわけです。
  一部の狂信的右翼を除き、「日本が中国・韓国を侵略した」という事実を否定する人間はまず存在しないと思いますが、小泉首相は「心の問題」と言いつつも、中国や韓国など「日本が迷惑をかけた近隣国の人々の心」にまでは考えが及ばなかったようです。小泉純一郎が「自民党の代表」というだけなら馬鹿にしていれば済むのですが、これが「日本国民の代表」とは本当に情けない…。
  「他者に迷惑をかける」ということに、右派の諸君は鈍感すぎる。
  

2006年 8月 12日（土）

• 『週刊金曜日（06/8/4）』より。
  • 東京裁判を引き受けた（P9-、聞き手・佐高信「Ａ級戦犯の孫　元外務省局長　東郷和彦氏が語る「天皇メモと靖国」歴史の針を一時止めよう」）
    ──前の世代のことは知らないとか、世代が変わればご破算でと、歴史認識が切れた若者も増えています。
    　それでは日本民族は底が浅くなってしまう。ただ、そういうレベルにしてしまった我々の世代の責任もあるので、一方的に若い世代を責めるわけにもいきません。
    ──提言で重要なのは、「責任は世代を超える」という言葉です。これを「立場」とみる人がいるでしょうが、「前提」ですね。
    　ぼくらの世代はみんなこう言っていましたよ。それが最近、中国に「反省していない」とガンガン言われることで、「（謝罪に）果てしがないじゃないか」という雰囲気が国内に出てきた。２０年ぐらい連続で２桁前後の成長を続ける中国に比べ、日本は「失われた１０年」で自信をなくし、閉塞感を強めていることも影響しているのでしょう。これは本当に間違いだと思います。原点であるモラル・スタンダードを堅持することが実は、中国の批判に対し一番強い立場を取ることになります。
    　仮に中国の中に反日派がいるとすれば、反中感情に流されることは、実は彼らを利することになります。日本人自身が謙虚さと自信をもつことが必要です。そのためには、日本人のアイデンティティーにかかわる問題で国論が割れるのはよくない。
    ──東京裁判は「戦勝国による断罪」とか、「『平和に対する罪』など事後法での処罰はおかしい」などと声高に主張する人もいます。
    　東京裁判はもちろん完璧な裁判ではないし、 裁判で立てられた一部の議論にはまったく同調しません。ですが、あの時代に日本は、国全体としてあるいは国民全体として裁判の結果を引き受けることで新しい日本を作っていこうとしました。その事実は重い。東京裁判の限界についての批判は当然あってよい。しかし、戦後の日本がその結果を引き受けて発展してきたことは否定できない。東京裁判を本当に否定しようと思えば世界を相手に一戦する覚悟がいります。それが今の日本のとるべき立場とは思えない。
    ↓
    「それでは日本民族は底が浅くなってしまう。」これぞ、まさに憂国です。
    同じ「Ａ級戦犯の孫」でも、安倍晋三とは大違いですね（もっとも、安倍晋三の祖父・岸信介はＡ級戦犯「容疑者」でしたが…）。
    小泉純一郎首相も「靖国参拝は私的参拝だ」と主張していたにもかかわらず、8/15を前に、その私的な行為が「公約」だと言ってますね（笑）。
    その根本的な矛盾に気付いていますか？
    --
  • ＮＨＫとの契約を切る際の法的根拠（P36、本多勝一「醍醐聰さんと語る「ＮＨＫ問題」６・大本営発表と変わらない夜７時のニュース」
    醍醐　…受信契約はＮＨＫと視聴者の対等な双務契約なのだから、相手が義務を果たさないで、こちらだけ一方的に義務を果たす契約なんか世の中にないという発想で行こうということではじめたんです。その時、よりどころにしたのは民法５３３条の「同時履行の抗弁権」です。
    編集部　ＮＨＫの果たすべき義務とは、具体的にはどういったことでしょうか。
    醍醐　放送法の総則ですね。《放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること》（第１条２項）
    　文化的なサービスとか豊かな放送とかいろいろあるのですが、ジャーナリズムは権力監視ということが最大の使命ですから、政治から独立していることが生命線だと思っています。そこが欠けることは、ほかがどうであっても欠格だという考え方でやるべきではないか。
    　よりどころは放送法３条の《放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない》です。
    本多　おっしゃるとおり、「権力との対峙」「政治からの自立」がすべてに優先すべき生命線ですから、まさにジャーナリズムそのものの実践にほかならぬハズです。
    ↓
    そうですね。ジャーナリズムは権力監視が最大の使命 ですから、受信料の支払いを強要するためにＮＨＫが「契約」を前面に押し出してくるのであれば、同じ「契約」により自らの果たすべき義務があることを（そしてそれが実施されていないことを）確認すべきですね。ちなみに、義務が果たされているかどうかを判定するのは、契約の当事者である私たち視聴者です。
    あっ、もしかして「ＮＨＫはジャーナリズムではない」（だから権力を監視する義務はない）と開き直る、というオチか？（笑）

2006年 8月 6日（日）

• 『週刊金曜日（06/7/28）』より。
  • 小沢昭一的戦争体験（P52-、井上ひさし・永六輔・小沢昭一・矢崎泰久「戦争はイヤでございます。散らかりますから」）
    小沢昭一　よくわかんないけど憲法は変えてもいいの。でも、９条の戦争放棄、これだけは変えないほうがいいよ、と思う。みんな、日本が戦争に負けたんだということを知ってるよね（会場・笑）。
    　いや、僕はね、昨日負けたというくらいにしか思えないんですよ。あの敗戦というのは、ついこないだのような気がする。こないだ、戦争に負けたんだよ。負けたもんは勝ったものの言うことを聞くのは当たり前だよ。勝ったんだから向こうは。
    　それが、いまでもそうなのよ。すべてみんな結局のところ、アメリカの言うとおりに動いている。だけど９条は残しておくべきね。いまから１００年か２００年くらい経ったときに憲法９条を見て、ああそれは当たり前だと日本は誉められる。
    　だって、こないだまで日本の中でも新潟県と山梨県が戦争していたんですよ。ついこないだまで上杉謙信と武田信玄が（会場・笑） 。いまは県同士が戦争することはなくなった、これからは地球を守る時代。国同士のケンカなんかはよそうっていうことになってるわけでしょ。地球で人間が生きていくために戦争放棄でやっていかないといけないのよ。
    … 戦争で日本はあのころ経済封鎖というのをやられたんだよ。日本だけでは食い物や資源が足りない、輸入だけで生きている国は経済封鎖をやられたら終わりよ。
    　だからあっちには「よろしく、どうも」、こっちには「ごめんなさい、よろしくお願いします」とやる。大国意識をなくして、「よろしくお願いします」。腰低くして「みなさんのおかげです」と言っていけばいいんですよ（会場・笑）。…
    　話は飛ぶけど以前、映画の世界には五社協定というのがあってね。松竹の俳優は東宝に出られないとかあったんだけど、田中春男っていう人はどんどん各社に出てたからね。「すいません、すいません」っていって。日本もその手でいくべきだな（笑）。……今日の結論、出ちゃったよ。
    永六輔　小沢さんに外務大臣になってもらいたいね（笑）。
    小沢　いいよ外務大臣、やろうか。
    ↓
    この講演はおもしろいなあ。上記はごく一部の抜粋ですが、ブックレット（『この日、集合。』）にまとめられたとのことですので、期待しています。
    --
  • 中国へ行った日本兵は、ほぼ例外なく、訓練の一環で中国人を刺殺した（P56-、座談会・『蟻の兵隊』奥村和一×「観る会」の大学生たち「私を“人殺し”に仕立て上げたあの戦争」）
    池谷薫監督　映画を撮ると決めた瞬間は奥村さんから「初年兵教育」の話を聞いた時。中国に行った日本兵はほとんど例外なく、訓練の一環で（中国人を）刺殺しなければならなかったと聞いて。奥村さんに「その現場に行ってみませんか」と聞いたら、「行かなくてはならないでしょうね」と答えたんだよね。奥村さんは山西省残留問題では国に棄てられた被害者だけど、そこから自身の戦争体験に向き合わなきゃいけなくなった。
    奥村　一度、戦争の教育を受けると、８０歳を過ぎても消し去ることができない。それを今度の旅で思い知らされた。でも、戦争に行ったおじいちゃんは、戦争のことを話さない。戦争では罪のない人を殺したり、略奪や強かんをする奴だっているんですよ、でも、おじいちゃんが戦争で強かんしたって言えますか？　私と同じように人殺しをしたと、家族には言っていませんよ。しかしね、戦争はそういうことをする所なんだと、おじいちゃんが教えなきゃいけない。戦争は、人間をそういう風に仕立てていく所なんだから。
    鈴木　奥村さんは人殺しをしたようには見えない。人を殺す前と後の感情の違いについて聞きたい。
    奥村　戦争で殺すか殺さないかという時は、お互い「気違い」になってやっているんですよ。どんなに累々と死体が転がっていても、その時は人殺しだとは思わない。そうじゃなくて、そういう戦闘ができるまでに仕立てられることのほうが、恐ろしい。そのために初年兵は訓練の一環で人殺しをさせられる。おっかなくて、自分では見られませんよ。本当に殺したのか殺してないのか、自分でわからない、目なんか開けられない。ただめちゃくちゃに蜂の巣のように刺しているうちに、偶然心臓に突き刺さった。上官に「よし」と言われて、まず「助かった」「これ以上やらなくていい」と。帰ってからも、ただ漠然と「俺はやっぱり人を殺したんだな」と……。
    福田　実際の戦闘よりも、その前の段階のほうが問題……っていうことですよね。
    奥村　そういうことができる兵隊に仕立てるための「人殺し」。
    福田　相手からやられないのに、殺したくないのに殺す。
    奥村　自分が結婚して子どもを持ち、安月給の中から家庭を築いていく中で、本当に人を殺したという呵責の念を感じるようになった。自分の子どもをあやしていると、「俺が殺したあの人にも家族があっただろう」と、だんだん重いものとして加わっていく。歳をとればとるほどそれを感じてきている。それは戦争に行ったどの家庭のおじいちゃんも同じだと思う。黙っているけど、苦しんでいる。その苦しみを抱えたまま死んでいこうとしているんだと思う。
    ↓
    「初年兵の訓練で中国人を刺殺する」と言っても、殺される方（中国人）は「生身の人間」ですから「訓練」ではありませんね（当然、家族もいるでしょう）。
    日本側の理屈だけで「Ａ級戦犯（日本を戦争に導いた政治家や軍首脳）が祀られている靖国神社へ参拝するのは首相の自由だ」という立場に立つと、「日本は正しかった」＝「中国人は刺殺されても仕方なかった」という意味になります。中国・韓国が怒るのも当然だと思いませんか？

2006年 8月 4日（金）

• 外国から見れば、日本は何をやっているか分からない。（毎日新聞・夕刊、井上ひさし「戦後責任です」）
  「若い人は知らないし、私たちの世代も忘れていることがある。昭和26年に結ばれたサンフランシスコ平和条約には、日本は『戦争犯罪について連合国が行う裁判を受諾』し、主権を回復し独立する、とある。そして条約締結国、日本と仲直りする国は賠償を放棄する。これが今の日本の原点です。東京裁判が間違っていたと主張するのはいいが、日本が裁判を受け入れると約束したことを忘れてはならない。裁判が受け入れられないなら条約締結前の状態に戻らなければならない。自ら裁判を行い、その結果を国際社会に問い、賠償を払う覚悟がなければ、勝手なことは言えない」
  ↓
  短いですが名文ですね。
  要するに、「東京裁判は戦勝国の押しつけだから、裁判の結果を受け入れる必要はない」などと言っている連中は、日本国内だけに通用する「甘えの構造」の中にいる、ということです。
  東京裁判を受け入れないのなら、日本は主権を放棄することになります（当然、独立も取り消しです）。

2006年 8月 3日（木）

• 靖国参拝に未来はあるか？（『Ｒ２５』［2006/8/4→2006/8/17］P48、石田衣良「空は、今日も、青いか？」）
  　だが、同時に海外の（とくに韓国や中国の）人々から反発を受けるのももっともである。国中が侵略された。しかも相手はアジアの同胞の国なのだから、よけいに裏切られた衝撃は強かったことだろう。
  …だが、このまま反目しているのは、歴史の流れに反する。
  　想像してみてほしい。仮に自分がＡ級戦犯として裁かれ、処刑されたとする。そのとき日本の国益を損ねてまで、自分を靖国神社に合祀し、参拝をしてもらいたいと望むだろうか。あなただって、きっと苦笑いしていうことだろう。もういいよ、そんなに騒ぎなさんな、別に合祀してくれなくても、参拝してくれなくてもいいから、もっと未来に目をむけなさい。手をあわせる小泉首相にほとんどの魂がそんなふうに語りかけるのではないだろうか。
  ↓
  冷静に考えればその通りだと思うのですが、実際のところ、現在問題となっている靖国参拝は「英霊」の遺志や意思を無視するところから始まっています。小泉首相の言う「心の問題」も、「英霊の心」ではなく「自分の心」のことだけしか考えていません。
  右派は権威付けが大好きですし、その権威を利用するのも大好きです。利用される「英霊」にとっても、実に迷惑な話でしょう。