○○○ (気付いたときには) 遅すぎる日記 ○○○
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2008年 4月 23日(水)
『週刊金曜日(08/4/18)』
より。
団塊の世代の少年時代の方が凶悪じゃないか!?(P17、日下部聡「常套句は思考停止をまねく 「靖国」の騒動を「民主主義の危機」と括るのは早計だ」)
常套句は一種の思考停止をもたらす。少しでもそういう匂いがしたら、なるべく疑うように心がけている。例えば「近年、凶悪な少年犯罪が増加している」という言葉。警察庁の統計を50年ほどさかのぼってみると、逆である。
16〜18歳10万人あたりの殺人・同未遂容疑での検挙者数は、1970年代後半以降、1〜2人前後で横ばいだ。ところが、60年代(昭和35〜44年)は3〜7人もいる。つまり、
今の60歳代のほうが、少年時代によほど凶悪だった
とみることもできるのだ。
58(昭和33)年9月3日付の『毎日新聞』は「急増する“理由なき反抗”」という見出しで、凶悪な少年犯罪の増加を報じている。記事中で警察庁幹部は「いまの青少年は忍耐力が乏しいからではないか」と話している。
そう指弾された青少年たちが今、同じようなコメントを繰り返しているわけだ。
人間って所詮そんなもの、という気にもなってくる。
↓
たしかに何事も常套句にまとめることで「安心」してしまうと、物事の本質から離れていく恐れがありますね。
なお、「常套句」よりは「統計の数値」の方がまだ信用できると思いますが、この「統計の数値」も実はクセ者で、記事や論文の執筆者が「都合の良い部分だけ切り出して見せている」こともあるので、要注意です!
2008年 4月 19日(土)
『週刊金曜日(08/4/11)』
より。
日本国民にはデモをする権利があります
(P14-、「簡単にできるデモ申請から イザというときの心得まで」)
●デモ申請は簡単 あなたも企画してみては?
公園で集会をして道路をデモするには、デモ出発地の警察署に72時間前までにデモ申請をしなければならない。場所は警察署だが、申請する相手は「公安委員会」という別組織(実体は警察だが)になる。許可した公安委員会は24時間前までに許可証を発行しなければならない。それから、デモのコースや、1列何人までの隊列にする、参加者多数の場合には、いくつかのグループに分かれる、などの取り決めを警察と行なう。但し、都道府県によって多少異なるので確認のこと。初心者は、友人と2人以上でいく方が心強い。
●撮影は重要! ネットでアピールを
友人と一緒に参加するときもそうだが、集会やデモの企画者・主催者となった場合は、記録撮影隊を用意すると有効である。デモの規模にもよるが、ビデオカメラやスチールカメラの撮影者が10人以上いると、心強い。
撮影が重要である理由は2つ。1つは、警察が妨害や挑発をしたときに、そのやりとりをすべて撮影し、参加者の安全や過剰警備の事実を明確にするためだ。
公務中の警察官に肖像権はない。しっかりと顔も撮影しておくこと。
2つ目は、参加者自身が記者のように報道する重要性。最近はマスコミが取材することは少ないし、大マスコミとは違う視点から情報を発信する重要性もある。
問題があったらすぐにインターネット上に流す。
ブログでも最近は比較的簡単に動画も流せるから、すぐに事実を広げられる。
YOUTUBE
に投稿もいい。
「共謀罪に反対する表現者たちの会」のブログ
が参考になる。
●困ったときの強〜い味方 《
救援連絡センター
》
困るのは逮捕されたときだ。警察は隙あらば、と狙っていることを常に念頭に置いておかないとまずい。もし運悪く逮捕されてしまったら、「救援連絡センターの指定する弁護士に連絡を。電話番号は、03−3591−1301(ゴクイリ イミオーイ)」と答えて原則黙秘する。
すると警察が救援連絡センターに電話し、指定の弁護士がやってくることになっている。ひとりでは対応は難しいので仲間で助け合ったり、同センターのように40年以上経験のある団体を信頼することなども重要だ。
特に、救援連絡センターが発行する『救援ノート』(500円)は、警察の介入・弾圧に抵抗するノウハウが入っている必読パンフレット。
●根拠のない職務質問には答えなくともよい!
…
警察官職務執行法第2条に「質問」について定められている。どのような犯罪について、「相当な理由」がなければ警察官は職質できないし、「(聞かれる)本人にとって不利」か「交通の妨害」になるのでなければ、同行を求めることもできない。
もし職務質問されたら、警察手帳を開いて見せてもらい、氏名・所属部署・役職・階級などを聞いてメモする。
ありがちなのは、「私も名前をいって警察手帳を見せたんだから、あなたの名前と住所教えて」というアプローチ。まったく答える必要はない。
↓
逮捕された後、警察に「
救援連絡センター
の(指定する弁護士を選任する)代表弁護士は?」と訊かれたら、「葉山岳夫(はやまたけお)さんです」と答えましょう。(2008年4月19日 現在)
それにしても、
「私も名前をいって警察手帳を見せたんだから、あなたの名前と住所教えて」というアプローチ
をしてくるとは、警察も卑怯ですね(うっかり、答えそうになっちゃうじゃないか!)。油断も隙もないとはこのことです(笑)。
2008年 4月 11日(金)
『週刊金曜日(08/4/4)』
より。
政治が文化に介入する後進国
(P10-、山口舞子「映画『靖国』への政治介入 表現活動の自由揺らぐ 異例の全館上映中止」)
「この映画にあまりいい印象をもっていないある議員が、作品を観たいと言っている」
文化庁から映画配給会社アルゴ・ピクチャーズに寄せられたこんな電話が、騒動の引き金となった。ある議員とは、自民党の稲田朋美衆議院議員だ。『靖国』には文化庁所管の独立行政法人・日本芸術文化振興会(以下、芸文振)から750万円の助成金が交付されている。この点を問題視した稲田議員と、同議員が会長を務める「伝統と創造の会」は、文化庁を通じ配給会社に「フィルムの貸し出し」を求めてきた。「会場も映写技師も手配する」「無理な場合は文化庁にあるDVDを見せる」など、「かなり強硬な姿勢を見せてきた」(配給側)。結局、配給側と文化庁が調整し、3月12日に全国会議員を対象とした試写会が開催された。
その翌日、「伝統と創造の会」と「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」(会長・今津寛衆議院議員)は会合を開き、助成金支出について文化庁と芸文振に説明を求めた。今津議員(自民党)にその理由を尋ねたところ、(1)中国人スタッフがかなりの割合で関わっており「日本映画」と言えない(2)反靖国、反天皇という特定の考え方に立っており中立性を欠いている──と説明し、次のように語った。
「どんな映画を作るのも自由だし目的について言うつもりはないが、偏った作品に文化庁が助成したことはよくない。反省し、これから注意してくれればいいと思いますよ」
当の稲田議員は、本誌の質問に対して次のように文書で回答した。
「この問題を契機として公的助成金支出のあり方、独立行政法人のあり方を議論したい。助成金が国民の税金をもとにしている以上、その使途について政治家が検証することは当然であると考えている。道路特定財源の入っている独法の支出について批判するのと同じ」
しかし、「偏り」を理由に政治が表現活動に介入する構図は、NHKの番組改変問題と同様ではないか。当時、NHKの外部制作会社「ドキュメンタリー・ジャパン」のディレクターだった坂上香さん(映像ジャーナリスト)は、現場へ波及する萎縮効果を懸念している。
「
適切な手続きを経て支出された助成金に政治家が異議を唱えて事前試写を要求するのは、検閲以外の何ものでもない。
今後、助成する側、制作者側の双方にものすごい波及効果を及ぼす恐れがある。そもそも、ドキュメンタリーは作者のさまざまな視点を提供できる場のはず。そのことを理解できない政治家は文化的素養がないと言うしかありません」
芸文振は「支出審査は公正だと思っている。作品内容については観る人の判断だ」。李
(纓)
監督は「
すべての審査を終え、完成作品を見せた上で助成を受けた。
それをもう一度問われるのは非常に問題だ。私はこの日中共同制作の映画で、靖国という空間がどんな象徴的な意味を持つのかを問いたいと思っている。それを拒否し、ただ『助成がおかしい』と言うのであれば非常に残念だ」と話す。
↓
右派の諸君は「アート」というものが分かっていませんねぇ…。アーティストには、とにかく自由に作らせれば良いのですよ。反論があるのなら、右派の諸君も「作品」で勝負すれば良い。「偏っていない」と考える映画を作り、芸文振から助成金をもらえば良いじゃないですか。『靖国』同様、ベルリン国際映画祭に正式招待されるようなレベルの高い映画を作れるのであれば、これは世紀の大勝負となるでしょう。こうした
「自由な表現」と「自由な表現」のぶつかり合いが、国の文化レベルを高めていく
のです(750万円×2以上の国益となります!)。
それにしても今回の件は酷い。
すべての審査を終え、完成作品を見せた上で助成を受けた
というではありませんか。
監督にも配給会社にも、まったく非はありません
から、今回の騒動の責任をとるためにも、原因となった自民党議員が中心となって、『靖国』の全国上映を推進すべきではないでしょうか? 国会議員向けに
「会場も映写技師も手配する」
ことが可能なら、国民向けにも可能なはず。それを邪魔する右翼は片っ端から検挙する。これ位やらないと、「自民党議員は文化的素養がない」という悪いイメージは変わらないと思います。
しかし、皮肉なことに、これで 映画『靖国』が有名になりましたね。残念なことに、今回の騒動が海外のメディアでも報道されれば、日本という国の文化的後進性を世界中に知らしめることになります(中国や北朝鮮のことを馬鹿にできませんよ!)。
──実際に観てみたら、それほど「反日」では無かったりして…(笑)。
2008年 4月 6日(日)
『週刊金曜日(08/3/28)』
より。
血税400億円追加出資の目的は「中小企業の救済」ではない!
(P10-、本誌取材班「トヨタも逃げ出す新銀行東京」)
「新銀行東京は銀行ではなく、ヘッジファンドなんですよ」
外資系のモルガンスタンレー証券に10年間勤めた経験があり、民主党内きっての金融通として知られる大久保勉参議院議員は、金融庁から新銀行についてヒアリングを受け、すぐに直感したという。
「ヘッジファンド東京」「オフショアバンク東京」。最近、金融業界においても、新銀行はある種の羨望と疑惑を込めて、こう呼ばれることがある。
巨額の資金運用をしながら、金融庁が検査しない治外法権
に置かれ、それゆえに経営実態がブラックボックスになっているという意味だ。
この間、報道などを通して定着した「追加出資は中小企業を救おうとしたところ、融資先が焦げ付いてしまったため」とのシナリオ。だがこれは本当の根深い問題を隠すためではないか──。
「
累積赤字のうち中小企業融資の焦げ付きは一部にすぎず、実は大半が資金運用による損失。
新銀行は一部の高額定期預金者に年利1%以上の高金利をつけて大量の資金を集めたが、中小企業融資では稼げなかったため、2600億円近い国債や社債などを保有して逆ざやになっていました。その損失を埋めようと投資をして損失を出した可能性がある。社債の中には、私募債や証券化証券なども含まれていることでしょう。
通常、高金利運用者にはハイリスクが伴いますが、新銀行が破綻した場合、都側はペイオフの範囲を超えて保護すると発言していた。都民の税金で特定の預金者の損失を補填すれば、モラルハザードが起きかねません 」(大久保議員)
新銀行によると、06年にキャンペーンなどで、高利回りを売りに集めた預金残高は、5年定期(複利で年1.7%)で約350億円、3年定期(複利で年1.5%)で約1800億円。当時の一部大手銀行の5年定期の利率が0.2%だったことを考えると、破格に高利率で、満期時の利払いは計111億円に上るとみられる。また「有価証券の評価損は現在、とりまとめ中」(新銀行広報)だ。
高利率で金を集めたものの、融資にも回せず、運用にも失敗。さらに、一部預金者が被った損失は追加出資=血税で補填する──。
高利回りに飛びついた預金者リストの中に、大口機関投資家や石原都知事の関連団体がいたとしたら、都民は泣くに泣けない。
↓
2008年3月上旬現在で新銀行東京の累積赤字は1000億円を超えていますが、さらに400億円を追加出資する議案を3月26日の都議会予算特別委員会で自民党・公明党の賛成多数で可決しました(国会だけではなく、都議会でも自民・公明が「税金の無駄使い」を全力で推進中です!)。
このまま再建できなかった場合は、自民党・公明党・石原慎太郎都知事が、東京都民に代わって損失を引き受けるべきですね。
2008年 4月 1日(火)
『週刊金曜日(08/3/21)』
より。
曽野綾子は『沖縄ノート』(大江健三郎 著)の「巨塊」を「巨魁」と誤読していた
(P56-、対談:石山久男・山崎行太郎「『沖縄ノート』裁判、3月28日判決を前にみる 「右派論壇」の目もあてられない劣化」)
石山
裁判を傍聴し、同じように思いました。曽野
(綾子)
さんは『沖縄ノート』を誤読している。この裁判は、赤松嘉次陸軍大尉の遺族(弟の赤松秀一氏)らが起こしました。原告は、「大江
(健三郎)
さんが赤松大尉を罪の巨塊だ」と書いたことなどが名誉毀損にあたるという。大江さんは法廷で「罪の巨塊」について、日本軍という罪によって生み出された累々たる死体を差すと説明しました。曽野さんはなぜか「巨塊」を「巨魁」(悪者の頭領)と誤読しています。
山崎
そうです。完全な誤読です。僕は、当初、大江さんと曽野さんという2人の作家の法廷対決ということでこの裁判に純粋な文学的興味を持ちました。そして誤字・誤読問題を初め多くの問題点に遭遇したというわけです。この本
(曽野綾子著『ある神話の背景』)
は何度か出版社を替えて発行されているのですが、最近では2年近く前に『沖縄戦・渡嘉敷島「集団自決」の真実』と改題され、ワック(株)から出版されています。ワック本では、「巨塊」がなんと「巨魂」になっています。巻末で解説を書いている『産経新聞』の石川水穂論説委員は「巨魁」と表記しています。
この本を論拠に、裁判まで起こしているわけですから、こんな誤字だらけの本は回収して絶版にし、大江さんに謝罪をするのが出版ジャーナリズムのルールだと思います。
石山
そうですね。
山崎
曽野さんは、大江さんが法廷で証言する前後に2回、『SAPIO』(小学館)という雑誌で池田信夫氏を相手に怪気炎を挙げていますが、最初の対談では「罪の巨魁=赤松大尉」という前提で議論しています。ところが僕がその間違いをブログなどで指摘すると、次の号ではどうしたと思いますか。こっそり字を直してあった。
石山
それは訂正と明記して……。
山崎
いや、全然断りなしに、こっそり漢字だけ訂正していましたね。しかも大江証言後の対談では、曽野さんは「罪の巨塊」問題に一切触れていない。同じ雑誌で井沢元彦氏が大江さん批判を展開した文章の引用個所でも、「巨魁」から「巨塊」へと読者に断りなしで直されています。その後、曽野さんは雑誌にコラムや連載を持っていますから、反論か釈明かするのかと思っていたら、反論も弁明もしていません。要するに、
卑怯にも逃げているのです。
結局、関係者が曽野さんの『ある神話の背景』も大江さんの『沖縄ノート』も読んでいないことがわかります。その証拠に曽野さんが犯した「罪の巨魁=赤松」という誤字・誤読のパターンを、赤松側の弁護士も、秦郁彦氏や渡部昇一氏等もそのまま踏襲して、堂々と大江さん批判を展開しているんです。
石山
法廷でも、興味深い証言がありました。原告の1人で座間味島の戦隊長だった梅澤裕さんが、大江さん側の弁護士から「あなたは『沖縄ノート』をいつ読みましたか」と昨年11月に聞かれ、「去年」と言ったんです。裁判を起こしたのは2005年です。つまり、名誉毀損で訴える前には『沖縄ノート』を読んでいなかったと明らかにしてしまいました。
↓
そして裁判の結果、大江側の勝訴となりました(大阪地裁判決、2008年3月28日)。
何ともお粗末ですね。>右派論壇
この例を見る限り、右派論壇の諸氏はことごとく原本にあたらないで「身内」からの孫引きだけに依拠しているようですね。そして、見当違いの「怒り」を増幅させている、という構図ですね。ネット右翼の諸君も、これに類した内向きで閉鎖的な「コミュニティ」に囚われないように、気をつけた方が良いと思いますよ!
(日付は4月1日ですが、エイプリル・フールではありません。念のため)
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