2009年 3月 27日（金）

• 『週刊金曜日（09/3/20）』より。
  • 小沢一郎民主党代表の「疑惑」を最も良く知る秘書は、小沢代表の元を離れ、自民党公認候補として出馬予定だった高橋嘉信元秘書だ（P10-、横田一「しょせん自民系政治家中心のゼネコン疑惑ではないか　自民から出馬を予定していた元秘書の胡散臭さ」）
    　同じような土建体質議員は自民党にもいるのに、なぜ小沢代表の秘書だけが狙い撃ちになったのか。東北地方の建設業者はこう指摘した。
    「（次期衆院選の）自民党公認候補になる予定だった高橋嘉信さん（小沢氏の元秘書）は見逃され、後任の大久保秘書だけが逮捕された。民主党つぶしのための捜査にしか見えない」
    　本誌の連載取材で９５年から“岩手・小沢王国”に通い、献金と談合が一体の土建政治構造をルポした私の目にも、今回の逮捕は「民主党潰し」にしか映らなかった。「１４年前から悪しき献金システムが続いてきたのに、なぜ総選挙の今ごろになって？」との疑念が湧き上がり、「１４年間もスピード違反を見逃してきた警察が突然、民主党の選挙カーの違反だけを取り締まった」に等しい不公平な権力行使と思ったのだ。
    ●元秘書と建設業界
    　９５年当時、小沢事務所で建設業界の窓口役をしていた高橋元秘書に注目すると、恣意的な逮捕が浮彫りになる。８０年頃から「小沢氏の側近」だった高橋元秘書は「他のゼネコンはこのくらいは献金している」と西松建設に要求し、年間２５００万円前後の献金をする約束を交わしたという。
    　また問題のダミー政治団体「新政治問題研究会」ができたのは９５年、もう１つのダミー団体「未来産業研究会」も９８年に設立された。いずれも高橋元秘書時代のことだ。ようするに、違法献金の“産みの親”である高橋元秘書は、政治資金規正法違反の時効が切れているとはいえ事情聴取すらされず、それを２０００年から引き継いだ大久保秘書だけが逮捕されたのである。
    　建設業者の間の評判も「高橋元秘書の方がずっと高圧的で押しが強かった」でほぼ一致していた。
    「高橋さんは仙台の鹿島建設の談合屋とのパイプを背景に、献金や選挙支援やパーティ券購入を業者に押しつけ、業界全体に睨みを利かせる存在でした。それに比べると、８歳年下で市議出身の大久保秘書の迫力は大したことはなく、『パーティ券を買っていただけませんか』と丁重に頼むほど。性格的にゴリ押しが苦手で、高橋さんよりも金集めに苦労していたようでした」（建設業者）
    ↓
    結局のところ、高橋嘉信元秘書が全てのカギを握る「最重要人物」のようです。
    しかも、その高橋嘉信元秘書が（次期衆院選の）自民党公認候補になる予定だった というのも、自民党との「関係」を考える上で興味深いですね。

2009年 3月 18日（水）

• 『週刊金曜日（09/3/13）』より。
  • セブン-イレブン「独禁法違反」の次はコレか？（P20-、渡辺仁「セブン-イレブンの正体　鈴木敏文商法の「詐術」　佐久間オーナーは、なぜ、死んだのか？」）
    　複数のオーナーの証言によれば、セブン-イレブンは契約時にオーナー夫妻の総資産（預金額・不動産・生命保険・学資保険・株券・借金額・ローン状況）を洗いざらい提出させる。フランチャイズ契約は、独立事業者（セブン-イレブン本部）対 独立事業者（加盟店オーナー）の契約である。それなのに、なぜ、究極の個人情報の「全財産」まで丸裸にされるのか。加盟金や研修費、運転資金などキャッシュで支払っているからだ。「これじゃあ、最初から夫婦ともども財布のヒモを握られたようなものだ」。この狙いはなんなのか？　そう不審がるオーナーが多いのだ。
    　そのうえほぼ強制的に「セブン-イレブン加盟店共済制度保険」に加入させる。つまり、「全財産の把握」（入口＝開店）と「生命保険加入」（出口＝閉店）がセットになっているのだ。そしていったん開業すると、数年もたたないうちにドミナント（近隣への集中出店）を仕掛けてくる。とうぜん、その影響で売上が激減して赤字になる。そこで本部に泣きついても、「オーナーさんの自己責任ですよ。経営努力でなんとかしてください！」と冷たく突き放されるのだ。何度交渉してもラチがあかず、最後はケンカ別れになってしまうのである。
    　こうして気の弱いオーナーなどが自殺したら保険金で負債を全額清算してしまうというのだ。しかも、その保険代理店は親会社のセブン＆アイ・ホールディングスグループ（０５年、イトーヨーカ堂、セブン-イレブンなどが経営統合して誕生）の「株式会社ヨークインシュアランス」なのである。これは明らかに巨大企業グループぐるみの、赤字転落（自殺）が予想できるのにドミナントで追い込む「未必の故意」（行為者が、罪となる事実の発生を積極的に意図・希望したわけではないが、自己の行為から、ある事実が発生するかもしれないと思いながら、発生しても仕方がないと認めて、行為する心理状態。＝『広辞苑』）に当たるのではないか。そこにはあえて言えば「フランチャイズ版保険金殺人」とでもいうような、暗黙の作為が仕組まれているように感じる、と言われても弁解できないだろう。開店も閉店もオーナーの意思であるように契約書には書かれているが、現実には本部主導で行なわれているからである。
    　先月、公正取引委員会がコンビニ価格の値引き制限の独禁法違反容疑でセブン-イレブン本部に立ち入り調査が入ったことがわかり、衝撃が走った。だが、セブン本部によるこの「ドミナント」こそ、究極のチェーン内での「優越的地位の濫用」（加盟店オーナーの不利益となる契約条件）にあたるのではないか。
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    これって「サラ金」と同じ仕組みですよね。借り主に生命保険を掛けてあるので、借り主が自殺してもサラ金会社は「回収」できる、という構造。

2009年 3月 12日（木）

• 『週刊金曜日（09/3/6）』より。
  • 会社を変えるには？（P56-、三井マリ子「「取締役クオータ制」で女性重役急増のノルウェー経済界」）
    　世界初の「取締役クオータ制」がノルウェー国会で成立したのは、保守中道連立政権時代の０３年のことだった。「取締役クオータ制」とは実は私の造語で、正式には、次のような文章が加えられた会社法を指す。
    「株式上場会社は２００８年から、国営会社は２００４年から、取締役会に両性が少なくとも４０％いなければならない」。つまり、ノルウェーの会社は、取締役会をどちらか一方の性の人間が４０％になるようにしろ、と命令されたのだ。ノルウェー経営者連盟 （ＮＨＯ）をはじめ、私企業が支持する保守党議員が中核をなす内閣のもとで、私企業が反対するに決まっている法律が誕生したのはなぜか。
    「つい今しがたまでカナダのテレビ局が、取材で……。ええ、テーマはクオータ制です」
    　アンスガール・ガブリエルセンさん（５２歳、元 貿易・産業大臣）は、約束の時間にだいぶ遅れ、駆け足でやってきた。彼は、カールヨハン通りにある国会議事堂前の青空の下で取材に応じた。
    「僕は男性で、根っからの保守党員です。しかも金融界という男性が支配する世界で働いていました。これが幸いしたのです」
    　と妙なことを言いだした。
    「ついポロッと言ってしまったという通説は、実は間違いです。あれは、１８カ月間も考えに考えた末の発言なのです」と、大きな声で「エイティーン・マンツ（１８カ月）」と強調した。
    「２５年間政治家をしてきて、問題が出たら、最も現実的な手を打つ、これが僕の原則です。わが国には優秀な女性が多数いるのに、取締役の女性の割合は６％。これでは企業に多様性を云々する資格はありません。新しい価値の創造など不可能です。それなのに、これまで男性たちは男仲間だけの狭い世界から取締役を選んできた。ほら、サウナ仲間、ゴルフ仲間、狩猟仲間……。この現実を変えようと長年、議論に継ぐ議論が続けられました。僕はもううんざりして、これは決行しかないと思いました。そこでクオータ制を可決するためにはどうしたらいいかを熟慮したのです」
    　当時のノルウェー保守中道連立政権は、保守党、キリスト教民主党、自由党の３党で内閣を構成していた。そのうちクオータ制に反対なのは保守党だった。
    「閣僚１９人のうち、僕の属する保守党は１０人。１党で過半数です。キリスト教民主党と自由党の２党が賛成でも、１０人が反対だと閣議を通りません。では僕が賛成に回るとどうなるか。保守党全員が反対しても閣議を通る。これはイケるぞ！と思ったのです」
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    これが 真に「国益」を考える政治家の姿でしょう。

2009年 3月 6日（金）

• 『週刊金曜日（09/2/27）』より。
  • オバマにも米国の侵略戦争は止められない。……というか、止める気がない！（P9-、金曜アンテナ「米国　反戦団体が掲げた“戦争屋”オバマへの挑戦状」）
    　全米最大の反戦団体ANSWERはこのほど、3月に予定されている国防総省へのデモ行進に向けたアピール文を発表した。そこにはオバマ新政権に対する幻想は一切なく、継続する侵略戦争とそのための予算に全国民が反対するよう求めている。以下は、その抄訳である。　
    　私たちは3月21日に、国防総省に対するデモ行進を準備しています。あなたやご家族、友人、同僚、学友がその日、行進に加わることが重要なのです。全国から人々が集まります。同時にサンフランシスコとロサンゼルスでは、独自集会が予定されています。なぜ私たちは、あの戦争犯罪人ブッシュが退任した後もなおデモ行進をするのでしょうか。それは人々が、正しいことを主張せねばならないからです。
    　100万人以上のイラク人が殺され、数千人の米軍兵士が死んだり傷ついたりしました。イラクとアフガニスタンの戦争は、私たちが今行動しない限りこれからも長引くでしょう。生命と資源の価値は、民主・共和両党いずれの政府でも犯罪的に無視されています。私たちは同時に、パレスチナ人に対してイスラエルが進めている戦争を米国が支援するのも止めさせねばなりません。ブッシュ政権はガザでのパレスチナ人に対する攻撃を認め、兵器と資金を供給しました。5000人以上の人々が殺され、傷つけられたのです。このハイテクを使った大虐殺による犠牲者の大半は子どもたちを含む民間人でした。私たち国民は、イスラエルの巨大な軍隊に年間25億ドルも予算を投じているのです。
    　もしブッシュがしでかしたイラクに対する戦争と占領が違法な侵略行為であったなら―実際にそうなのですが―、どうしてオバマ政権は何年もかかって段階的にしか終わらせることができないなどと言えるのでしょう。イラクの人々は、外国軍隊が自国を動かすのを望んではいません。国防総省は20万人の傭兵と15万人の米軍を占領維持のため配置しています。しかし傭兵も軍隊も、イラクに留まる権利はありません。数千人の兵士がアフガニスタンに再配置されるためだけにイラクから出国し、愚かにもマスメディアは“戦争が終わりつつある” などと主張しています。これは、事実ではありません。
    　オバマ大統領は前政権のように国防総省を手中に収めようとし、ブッシュが任命したゲイツ国防長官を留任させました。長官は、新政権がアフガニスタンの兵力を2倍にすると発表しています。これを、多くの人が新政権によってもたらされると考えた“チェンジ” と呼ぶことはできません。米国民は、真のチェンジを求めています。国民は“安全保障”というウソの名目で実行された侵略戦争に疲れ切っています。これらの戦争は、中東と中央アジアにおける石油と天然ガスを支配しようという企みを伴って、軍需産業に巨大な利益をもたらすための戦争なのです。
    　私たちは納税者のお金が国民の要求に沿って使われるよう、イラク侵略の6周年に当たる3月21日、デモを計画しています。私たちが求めている資金は雇用と住宅、医療と教育のためのものであり、侵略戦争のそれではないのです。イラクの占領だけで、毎月120億ドルかかるのです。国防総省の戦争マシーンは、私たちの利害に合致しません。それは、中東の市場と富を支配しようとする最も巨大な企業と銀行を潤すだけです。イラクやアフガニスタン、パレスチナの人々は、私たちの敵ではありません。彼らは、植民地型の支配から免れて生きたいと願っているのです。米国の戦争と軍国主義を終わらせるのを求める人々の運動のみが、国内外で人々の正義を勝ち取ることができるでしょう。（編集部）
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    そうですね。これが正常な感覚ですよね。特に、イラクの人々にとっては（米国の都合なんかは、どーでもいい）。
    しかも、イラクの占領だけで、毎月120億ドルかかるのです、という事実は多くの米国人にとっても不都合なはず。
    共和党と民主党、どちらに投票しても侵略戦争は終わらない。腐った二大政党制の恐ろしさが、ここにもあります。
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  • 自分は国を愛していないのに（それどころか泥を塗っているのに）他人に国を愛することを強要する無責任な政治家たち（P21、辻元清美「政権交代前に取るものは取る　ヒラリーさんのキツイ笑顔外交」）
    　それにしても、安倍晋三元総理しかり中川（昭一）前財務相しかり。「愛国心」「規律ある教育」「美しい国」「改憲、改憲」と旗を振ってきた仲良しグループ。麻生太郎総理もこの手の人だ。「愛国心」を振り回す人が総理大臣の仕事を放り出したり、酩酊会見をしたり。率先して日本に「恥」をかかせている。「国家」を声高に叫んで「国家」にすがりたい人たちの正体見たり。「国家国民のため」と連発すれば何かした気になり、「国民」が見えなくなっているのでは。
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    私は昔から「国民に愛国心を要求する（強制する）政治家」は一切信用しません。「愛国心」を支配の道具としてしか考えていないためです。
    本当に愛国心がある政治家なら、黙って国民のために尽くすはず。その結果、国民が「良い国に住んでいるなあ」と思ってくれれば嬉しいし、別にそう思ってくれなくても構わない。「愛」という言葉を出すのなら、最低限このレベルはクリアしてないと、絶対にニセモノだと思います。