○○○ (気付いたときには) 遅すぎる日記 ○○○
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2015年 7月 3日(金)
『週刊金曜日(15/6/26)』
より。
要検証:日本軍「慰安婦」
問題。決定的な資料発見か?
(P20-、対談:今田真人・西野瑠美子「「吉田証言」は本当に「虚偽」なのか!?」)
●慰安婦問題の本質
西野
安倍晋三首相は「慰安婦は人身売買の犠牲者」と言うようになりました。「人身売買」とすることで「慰安婦は親に売られた女性」として、親や朝鮮人業者などに責任転嫁したいとしたら、それは見当違いもいいところです。
当時の刑法や国際法では未成年はもとより、拉致も詐欺も甘言も誘拐罪で、「慰安婦」にするため人身売買した女性を国外の慰安所に移送することもまた違法でした。また、船の移送の場合、身分証明書の発給がなければ乗船できず、軍や領事館、警察などの便宜・手配がなければ、これだけの長期にわたる「慰安婦」国外移送はできたはずがありません。軍と警察は関与というより「主体的」役割を果たしていたのです。つまり、安倍首相が「人身売買」を認めるなら、人身売買「慰安婦」国外移送という違法行為の観点からも、日本軍や内務省・警察などの責任を認めねばなりません。確認作業はまだ必要ですが、
日本軍が業者に「慰安婦」調達金を渡していたと思われる資料が発見されました。
事実なら、軍が「人身売買」の主体だったというケースです。
今田
それは驚きですね。日本軍や内務省・警察は吉田証言にもあるように、
敗戦後、徹底的に証拠隠滅を図り、「慰安婦」などの朝鮮人強制連行に関わる資料を焼却処分しました。
それはどこから出てきたのですか?
西野
昨年、中国の吉林省公文書館が公表したものです。1945年3月27日から4月19日までの「慰安婦」調達資金などについての書簡・電報には、
満州中央銀行鞍山支店が関東軍第四課の承認を経て、軍用公費として日本軍の「慰安婦」調達専用資金の振替を行ったという記録
があります。
今田
それは決定的ですね。
西野
秦郁彦さんはかつて「済州島の事件が事実無根だとしても、吉田式の慰安婦狩りが無かった証明にはならない」(『正論』92年6月号)と語っていました。まさにそのとおりです。済州島で「慰安婦」狩りをしたという吉田証言だけが「慰安婦」問題の核心でも唯一無二の証拠でもありませんが、そうであっても吉田証言を丸ごと「虚偽」とすることは乱暴です。
そもそも拉致や暴力的連行だけが「慰安婦」問題の強制性ではありません。詐欺であってもその暴力性に優劣をつけることなどできないのです。なにより、強制性は連行だけでなく、性奴隷を強要された慰安所での強制性を無化することはできません。
↓
「吉田証言」は本当に「虚偽」なのか、の核心部分については本誌をお読み頂くとして、ここでは最後の項目(「慰安婦」問題の本質)から引用させて頂きました。
敗戦後に軍や政府が証拠隠滅を図ったにもかかわらず、広義の強制性に関する資料・証言はすでに否定できないほどの質・量が集まっています。日本の右派が騒ぎ出してから、ここ20年ほどは、さらに右派にとって不利となる資料が「発掘」されていますし、現在も(昨年も!)新たな資料が出てきているのですね。今後も出てくることでしょう。
日本軍性奴隷の人権侵害の事実は否定しようがありません。全体の1%にも満たない「吉田証言」が仮に全否定されたとしても、それをもって「慰安婦」問題が存在しなかったとするのは、それこそ犯罪的に無理があります。
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