○○○ (気付いたときには) 遅すぎる日記 ○○○
トップページへ
/
最新号へ
/
バックナンバーへ
2015年 9月 1日(火)
『週刊金曜日(15/8/7・14合併号)』
より。
「慰安所」だけではなく「強姦所」もつくられていた!
(P24-、班忠義「暗闇の中で逝った中国人被害女性たち」)
●現地女性を監禁・レイプ
92年、日本軍の「慰安婦」だったという女性が中国から来日すると知り、会いに行きました。万愛花さんです。証言も、体に残る暴力の傷跡も衝撃でした。そして95年8月、再び万愛花さんに会いに山西省に行ったのです。そこは辺鄙な農村で、戦時中、日本軍のトーチカ(砲台)が築かれたところでした。
そこで万愛花さん以外にも、多くの被害者がいることを知りました。日中戦争が始まってから山西省には八路軍がいたため、日本軍は小隊単位で行動していました。その小隊が現地の女性たちを拉致・連行し、「強姦所」に監禁、レイプしました。
たとえば劉面換さんは、15歳の時に40日間監禁され、レイプされました。その間、日本軍人は現地住民を雇って見張りをさせ最低限の食事しか与えられず、劉さんが外に行けるのはトイレのときだけ。いつ軍人がやってくるのかわからないという状態でした。
被害女性の多くは当時、13歳から20代、30代。突然の出来事に精神に異常をきたしたり、トラウマに苦しむ人が多く、体調もすぐれず、貧しい暮らしをしている人ばかりでした。
強姦所というのは慰安所とは違います。
慰安所は日本軍の慰安所制度の下で作られたもので、建前だけど、日本人「慰安婦」には廃業の自由があったり、営業時間や料金が規定されていたりなど、それでも慰安所を管理する法律がありました。オーナーや、慰安所や「慰安婦」を管理する人もいました。
でも強姦所にはそういうものは一切ない。管理する者が誰もいないまま、軍人たちがこっちの女性、あっちの女性と、勝手に女性たちを拉致・監禁し、レイプしました。これは
中国は敵戦地域なので殺しでも強姦でも何をやってもいい、良心のとがめはないという、当時の日本軍の教育そのものです。
●20年におよぶ被害者支援
強姦所は民家や、ヤオトンという山肌に掘った穴式住居を接収して使われました。ヤオトンは光があまり差さず、多くの女性が暗闇の中で強姦された。戦後も、日本はもとより、中国政府からも支援の手を差しのべられず、まわりからは「汚い」「トーチカに連行された女」と言われ、彼女たちは暗闇の中で死んでいきました。
…
この20年で、80人くらいの被害女性に会いました。今、生き残っているのは8人くらいになってしまいました。年齢もみんな90歳前後。支援の規模も小さくなりましたけど、最後まで見届けますよ。
これまであった被害女性のことは、2本のドキュメンタリー映画(『チョンおばさんのクニ』『蓋山西(ガイサンシー)とその姉妹たち』)にまとめています。そこにまだ出ていなかった被害女性を取り上げたのが、最新作の『太陽がほしい』です。
被害を受けた女性たちや、当時を知る旧日本軍人が証言してくれ、600人超の支援者のおかげで完成しました。
私はお金ないけれど、遺産をもらったような感じがします。
●再びの戦争犯罪
戦後70年を迎えた今の日本を見ていると、歴史が逆戻りしているようです。
日中戦争が始まったとき、日本は「邦人保護」とか「国民を守る」という言葉をキャッチフレーズに、中国大陸に軍隊を送りました。
そして中国で何をやったか。
殺人の軍隊
ですよ。このような歴史があったのに、被害者の死とともに、存在しなかったことにされてしまう。それは再びの戦争犯罪のような感じがします。
日本の学校で教えるのは太平洋戦争のことだけで、日中戦争は少ししか教えない。
アメリカと戦う部分のみをクローズアップして、日本の被害は大変だったという。間違った歴史観を植え付けることは、われわれアジアの不幸です。
今、中国国民の意思にも反し、中国が軍備増強しているということで、日本もそれに合わせようとしています。けれど、
習近平体制の今の中国は最悪の状態で、そんな状態の中国に、日本が合わせる必要はない。
憲法9条の平和理念のもとでの解決方法があるのではないでしょうか。(談)
↓
「強姦所」については、本当に酷い話で、言葉を失います。日本は国として謝罪・補償をすべきだと思います(政府の公式見解はどうなっているのでしょうか)。急がないと、被害者が亡くなってしまう…。
この歴史的事実については、もっと多くの人が知るべきだと思います(お恥ずかしい話ですが、私も知りませんでした)。被害者側(中国の女性)だけではなく、加害者側(旧日本軍人)の証言も得られているのはとても良いことだと思います。
それにしても、
日本の学校で教えるのは太平洋戦争のことだけで、日中戦争は少ししか教えない。
というのは非常に問題がありますね。第2次世界大戦において、日本は米国だけではなく、アジア諸国とも戦争をしていましたが、むしろ、投入した軍事力に関しては、前者より後者の方が “主力” だったのではないでしょうか。旧日本軍はアジア諸国の2000万人以上を殺したわけですから…。
なお、本号(週刊金曜日、2015.8.7-14合併号)は良質の記事が多く、じっくりと読み込んでしまいました。永久保存版ですね。
リンクは御自由にお張り下さい
Copyright (c) カナリアの裏声
引用部分
は、その出典を「(カッコ)」内などに明記してあります。
新聞の場合、特に指定がなければ、同日付けで発行されたものです。