●●●　2004年 12月の三大ニュース　●●●

（本来の執筆ペースに戻るまで）「三大ニュース」は休載します。

2004年 12月 31日（金）

• 『週刊金曜日（04/12/24）』より。
  • あなたの税金が米軍に渡されている（P4-、金曜アンテナ「思いやり予算をアートで「粉砕」！」）
    「それ！」威勢のいい掛け声と共に、画家・増山麗奈さんがハンマーを振るう。殴りつけているのは、ブッシュ前大統領の顔が描かれたお札が貼られた壁。８月に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学の焼け跡をモチーフにした。
    これは１１日から始まった東京・府中市美術館の企画展「第２回府中ビエンナーレ 〜 来るべき世界に」でのパフォーマンスで、題して「余りに思いやりすぎた愛の結末」。
    「私達の税金から今年も思いやり予算として２４４１億円も使われて、沖縄の基地から米海兵隊がファルージャ攻撃に出撃しています。戦争と石油とお金にまみれたアメリカと日本との関係を壊して、新しい愛のある世界を作ろう！」増山さんは訴える。
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    「思いやり予算」とは、私たち日本国民の税金から在日の米軍に支払われている予算のことです。支払いの根拠が無いので、本来は払う必要など無いのですが、自民党公明党政権は、米軍を「思いやって」毎年、支払いを続けてきました。
    今年は２４４１億円だそうです。まさに国辱的だと思うのですが、右翼の諸君は平気なのでしょうか？
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  • 情報統制から戦争が始まる（P12-、編集部 平井康嗣「土井たか子氏との９条対談で野中広務氏激怒「マスコミは自殺行為をしたに等しい」」）
    佐高 信「今何が一番、戦前と似ていると思いますか」
    野中 広務「それは情報統制。テレビに出ている人は本当に恐い話をしている。厳しい意見を言う評論家などはテレビをいつの間にか降ろされている。雑誌でも同じです。なぜ米国が始めた戦闘を日本が支持しなければならないのか。
    後世、検証してほしい。昨年１１月２９日、奥克彦氏ら２人の外交官が殺された。その前に、韓国とスペインの人が殺されている。この時はイラク人が犯行声明を出しているが、奥氏らにはまだ犯行声明はない。しかも米軍の発表も、買い物中に殺されたとか、走行中に殺されたなどと二転しています。そして１２月６日に外務省葬、１２月９日に（イラク特措法が）閣議決定、今年１月には陸上自衛隊が出かけていった。派遣ありきで、進んでいたとしか思えない。…
    ３月にサマワに迫撃砲が撃ち込まれてから日本のマスコミは１社もいない。新聞をよくご覧になってください。写真提供は自衛隊や防衛庁となっている。最近もテレビが自衛隊の装甲車や給水車を映したりしていたが、２月以前の映像です。そんなことを平然としている。われわれはテレビという映像を通してだけで戦争を見ているのです 」
    　　　＊　　　＊
    戦争体験者で、周囲で仲間が死ぬさまを目の当たりにした野中氏は、自民党にいながら反戦を主張してきた。だが、この日の対談では、特にイラク戦争に加担するメディアに対して痛烈な批判を浴びせていた。
    日本人外交官の死亡については一部週刊誌が「米軍誤射説」を報道していた。野中氏は、あからさまには言わなかったが、その不可解な死と、目の当たりにした永田町の強引な流れを検証してほしいと求めていた。
    対談終了後、陸上自衛隊幹部の改憲草案作成について「憲法尊重擁護義務違反だと思いませんか」と問うと、野中氏は「そりゃそうだろう。もってのほかだ！」と即答した。
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    「戦争体験者で、周囲で仲間が死ぬさまを目の当たりにした」という経験を持つ自民党・公明党の国会議員は何％いますか？
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  • 埼玉県民の選択（P14、俵義文「埼玉県知事が県の教育委員に「つくる会」教科書監修者を選任」）
    埼玉県の上田清司知事（元民主党衆議院議員）は、新しい歴史教科書をつくる会（「つくる会」）前副会長の高橋史朗氏に県の教育委員への就任を要請し、高橋氏も承諾した。上田知事が選任理由として評価している高橋氏の実績とは何か。
    高橋氏は「つくる会」の呼びかけ人であり、結成当初からの理事、副会長として同会を実質的にリードしてきた人物である。また彼は、日本軍「慰安婦」被害者を攻撃し、教科書の「慰安婦」記述削除を執拗に要求し、教科書を「自虐史観」と誹謗し、性教育やジェンダー・フリーに反対してきた。さらに、今日の教育がかかえるさまざまな困難をすべて歴史教科書と教育基本法に原因があるかのように言いふらし、教育勅語や国家神道を賛美し、「日の丸・君が代」を教員だけでなく子どもや保護者に強制すべきだと主張してきた。また、学生時代から、「天皇中心の新体制国家の形成を期すことを目的にし、大日本帝国憲法体制に原点回帰を目指す」右翼組織・日本青年協議会とその下部組織の日本教育研究所をつくり、初代事務局長や副所長を務め、統一協会＝勝共連合の理論的指導者としても活動してきた。教育基本法改悪をめざす「日本の教育改革」有識者懇談会（民間教育臨調）を「つくる会」と日本会議が共同して結成する中心的役割も担い、発足後は運営委員長の任にある。これらが彼の“実績”である。…
    ところが、上田知事は、「高橋氏が『つくる会』の副会長であったことは就任を要請するまで知らなかった」とシラを切る。しかし、一昨年１０月に上田氏自身が主催した「四市政策フォーラム」の案内文書では、講師として招いた高橋氏を「つくる会」副会長として紹介しているのである。
    こうしたウソまでつきながら、何がなんでも高橋氏を教育委員に選任しようとするのは、「つくる会」の教科書を県内に多数採択させようというだけでなく、いま憲法・教育基本法の改悪をねらう勢力の意図にそって、埼玉県の教育を戦争するための人づくり教育に全面的に転換させるものにほかならない。
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    東京都知事（石原慎太郎）の極右ぶりは有名ですが、埼玉県知事（上田清司）も負けていませんね。

2004年 12月 28日（火）

• 「万能川柳2004年」より（毎日新聞・夕刊）
  • 戦争の放棄を放棄するのかな　　　　東京　小松一郎
  • よその国行って自衛と言えんわな　　甲府　ぽっくり
  • 国益と先の戦も言っていた　　　　　東京　ほろりん
  • 安全のサマワに危険手当つく　　　　久喜　高橋春雄
  • １面に兵隊さんがいる不安　　　　　洲本　にゃんこ
  • 詭弁あり絶叫ありではや３年　　　　秦野　てっちゃん
  • 安全な場所で危険な指示をする　　　川口　ぼけの花
  • 凡人を継いだ変人軍人化　　　　　　小平　五十肩
  • 進駐軍半世紀過ぎ出す側に　　　　　京都　三太郎
  • 警察の裏金捜査だれがする　　　　　和歌山　豚猫
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    皆さん上手ですね（他にも秀作が多かったのですが、１０作品だけ抜粋させて頂きました）。

2004年 12月 24日（金）

• 『週刊金曜日（04/12/17）』より。
  • 勉強不足の安倍・小泉（P8-、竹内一晴「「靖国」が招く日本の危機　国際感覚ゼロの小泉首相、安倍前幹事長」）
    「今、一部財界の人たちから日中間の商売において、『総理の靖国参拝するということが、たいへん妨げになっているからやめてもらえないか』という声が上がっている。（中略）売り上げ獲得とこの国のために殉じた人たちを引き換えにしていいのでしょうか。考えることすらばかばかしい」
    １１月２７日東京・九段会館で開かれた公開シンポジウム（主催・靖国神社祟敬奉賛会）で、安倍晋三・自民党幹事長代理（前幹事長）はこう述べ、奥田碩・日本経団連会長ら財界人が３日前の小泉首相との会食の席で靖国参拝を牽制したことを痛烈に批判した。…
    「安倍氏や小泉首相はなぜ日中国交正常化が果たせたのか、なぜ日本が戦争を放棄するにいたったかが、まるでわかっていない」加々美光行・愛知大学教授（現代中国政治）はこのように小泉首相、安倍幹事長代理の勉強不足を指摘する。
    中国政府の立場は、１９７２年の「日中共同声明」で国交正常化をしたときの、周恩来首相の談話以来一貫していると加々美教授はみている。当時、日本に賠償請求をせよとの世論が中国国内にあったが、周恩来ら中国の指導者は、戦争は日本の一部の軍国主義者による誤った指導の下に起こされたもので、大多数の日本国民も戦争の犠牲者であるとの認識を示したという。
    「戦争指導者と一般の日本国民を分け、賠償放棄は同じ戦争犠牲者である『中国人民から日本国民への贈り物』とされたのです。それは日本側が戦争の責任をきちんと受け止めて反省していることが前提でした。小泉首相が戦争指導者らの合祀された靖国神社を参拝することは、その前提を覆すことになってしまう。だから、中国側は許せないのです」
    ↓
    非常に分かり易い解説ですね。侵略者（日本）に対し、被侵略者（中国）が「賠償を放棄」した、という時点で日本は中国に対して大きな借りを作ったわけです。本来であれば、侵略者・日本はもっと謙虚であるべきなのに、虚勢を張って傲慢な態度を続けていますね＞小泉・安倍をはじめとする自民党の諸君。だから周辺諸国から批判されるわけです（あー、恥ずかしい）。
    中国側から見れば、靖国神社に祀られているのは侵略者なわけですが、それを「この国のために殉じた人たち」なーんて自分勝手な解釈で言い換えて、先の大戦で日本人が外国に多大なる迷惑をかけたことを忘れたい（国民の頭からも忘れさせたい）安倍晋三、本当に見苦しいですね。
    ちなみに、安倍晋三の祖父（岸信介）はＡ級戦犯容疑者です。日本人３００万人と周辺諸国の２０００万人を殺した軍国主義日本の責任者（のうちの１人）です。
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  • 死生観は違っても、犯罪は犯罪であり、戦犯は戦犯だ（P12、聞き手・吉田康彦「中江要介・元駐中国大使に聞く　小泉首相の靖国参拝問題と日中関係」）
    ──国内の保守派は「ヒトは死んだらみな仏になる」という日本と、罪人は未来永劫に罪人であるという中国との死生観の違いを強調する人もいますが、その価値観の押しつけも独善ですね。
    　もちろんだ 。小泉首相も彼らも、大戦中、日本は中国に対して加害者だったという事実を忘れている。日本軍が遺棄した化学兵器だけで７０万発にのぼり、まだ中国各地にゴロゴロしている。そらぞらしい反省と遺憾の言葉をいくら繰り返しても意味がない。
    ↓
    「日本と中国の死生観の違い」に逃げ込むとは、国内の保守派は卑怯者ですね（繰り返しますが、日本は加害者なのですよ！）。そもそも、こんな屁理屈は国際的には全く通用しないでしょう（もし、こんな屁理屈が通るのなら、どんな犯罪でも可能になります！）。
    そう言えば、養老孟司も『死の壁』（現在、新潮社不買運動実施中なので、立ち読みで済ませたが…）の中で、この屁理屈に近いことを言っていたなあ。この辺に「養老孟司の（超えられない）壁」があると見た。

2004年 12月 17日（金）

• 官舎にビラ配り無罪　自衛隊派遣反対訴え「法益の侵害、軽微」（毎日新聞・朝刊）
  自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため今年１〜２月、東京都立川市の防衛庁官舎の通路などに立ち入ったとして、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー男女３人に、東京地裁八王子支部は16日、無罪（求刑・懲役６月）を言い渡した。長谷川慶一裁判長は「憲法の保障する政治的表現活動で、住民のプライバシーを侵害する程度も相当低い。罰するほどの違法性はない」と述べた。
  ↓
  アムネスティに日本初の「良心の囚人」と認定された、例の「反戦ビラを配っただけで逮捕」という事件（参考：第５回公判）の続報。当然の無罪判決でした。
  しかし、その一方で、権力が市民の人権を著しく侵害した（公権力が、市民団体の事務所とメンバー全員の家、計６カ所を家宅捜索し、パソコンや会議録、会計資料などを押収していった）という事実について、公権力はどのような形で責任を取るのでしょうか？　公安や検察の関係者には事実上、何のお咎めも無いのでしょうか？　だとしたら、今後もこうした「権力による人権侵害」をやりたい放題ですね。
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• 体に電流／少年処刑ごっこ　米兵 新たな虐待　米人権機関 一覧を公表（毎日新聞・朝刊）
  米民間人権擁護機関の全米市民自由連合（ACLU）は14日、海軍犯罪捜査部などから情報公開法で入手した米兵のイラク人への虐待事件の一覧を公表した。今回公表された事件にはアブグレイブ刑務所の虐待事件も含まれているが、多くは新たに判明した。
  公表された事件の中には海兵隊員が、
  （１）イラク人拘束者の肩に電圧機につなげた電線を当てて、「ダンス」をさせた（04年４月）
  （２）浅い穴の前にイラク少年をひざまずかせて近くでピストル発射、処刑のまねごとをした（03年６月）
  （３）イラク人拘束者の手にアルコールをかけてから火を付け、やけどを負わせた（03年８月）
  ──などが含まれている。
  また、「我々の資源を無駄に使うな」と命令され、「けがをしたイラク人を治療したら殺す」と脅された海軍衛生下士官や、「（イラク人への虐待を口外しないよう）仲間同士のプレッシャーがあった」と訴えた衛生下士官のケースも報告されている。
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  こういう情報は、アメリカの一般市民の目と耳に、ちゃんと届いていますか？

2004年 12月 16日（木）

• 『週刊金曜日（04/12/10）』より。
  • カラの輸送機を飛ばす空自（P24-、本誌取材班「イラク現地報告　自衛隊派兵で露呈する空自と陸自の軋轢」）
    「日本の自衛隊の将校が、何かイラクに送る荷物はないかと尋ねて回っているんですよ」
    クウェートで活動するイギリス人ＮＧＯ関係者が打ち明ける。
    「荷物運搬を無料で請け負うと言われたので驚いた。我々にも自前の運搬手段があるので丁重に断りました」
    アプローチしてきたのは航空自衛隊（空自）の幹部だという。大手紙の防衛庁担当記者はこう話す。「実際のところ空自に仕事が無いんですよ。輸送機も、ほとんど空のまま定期的に飛んでいるという話です」。空自は各国の軍隊にも運ぶものがないか問い合わせを続けているという。
    現地で取材をしていたテレビ局記者は「空自はクウェート北部にあるアリアルサレムという空軍基地を拠点に活動しているのですが、現在はそこでの取材が許可されません。理由は、何も運んでいない事がばれてしまうからでしょう」と話す。
    ↓
    「ほとんど空のまま定期的に飛んでいる」というのは莫大な税金の無駄遣いですし、その一方でたまに運ぶものと言ったら「米兵ら1200人を空輸」してイラクの戦場へ送り込んだ（アメリカと共に日本もイラク侵略に参加した）りしていますから、ひどいものです。

2004年 12月 11日（土）

• 『週刊金曜日（04/12/3）』より。
  • 米軍がファルージャで「毒ガス使用」と現地報道（P4、金曜アンテナ）
    カタールのインターネット新聞『イスラムメモ』も１１月１６日、現地通信員からの報道として、米軍が同市のジャウラン地区、シュハダ地区など３カ所で毒ガスと見られる化学兵器を使用したと報道。そのうちジャウラン地区では、女性と子どもを含む２０の遺体の中に外傷がなく腫れて黄色く変色した１４体があり、「明らかに毒ガスなどの化学兵器によって殺害された」としている。
    さらに中東のインターネット新聞『ジハード・アンスパン』も１８日、現地からの報告として米軍がこうした変死体にカメラを向けることを禁じていると報じている。
    ↓
    現地のカメラマンには（本当に大変ですが）頑張って取材して頂き、世界中に報道してほしいと思います。
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  • イラクの次は、どの国と闘うのか？（P20、成澤宗男「ブッシュ再選でネオコンが政権制覇　米国外交は「第４次世界大戦へ」」）
    ＡＥＩ以上にネオコン色で染まっているシンクタンクに、「米国新世紀プロジェクト」（ＰＮＡＣ）という組織がある。その共同設立者の１人であるＦ・ガフニー元国防次官補は、名だたる政権内ネオコンの外部の代弁者として知られている。この１１月５日、彼は『ナショナルレビュー・オンライン』誌に、「世界的視座から見た価値」と題する論文を発表している。そこで掲げられた政権２期目の「重要事項」だとする以下の項目こそ、ネオコンが今後繰り出すだろう政策と見なして間違いない。
    それは、
    （１）ファルージャのような「イラクにおける自由の敵の天国」破壊
    （２）イランと北朝鮮の体制転覆
    （３）「第４次世界大戦」を闘い得る米軍再編と諜報要員による情報収集能力強化
    （４）米国のパワーに歯向かう独仏との闘い
    ──等だと指摘する。すでに（１）は歴史に残る大虐殺事件として実現したが、ネオコンが当面最も狙っているのは、前述した匿名論文も触れていたようにイランへの「体制転覆」も視野に入れた軍事行動であり、それはアフガニスタンとイラクに次ぐ「第４次世界大戦」の一環に他ならない。
    ↓
    小泉自民党公明党政権は、アメリカに盲従していますから、これから日本はイラン・北朝鮮・ドイツ・フランスと闘うことになるのでしょう。特に北朝鮮は地理的にも近いですから、自衛隊＝日本軍による直接的かつ大規模な軍事行動も当然、考えているはずです。現在行われている自衛隊のイラク派兵も、憲法改悪も、教育基本法改悪も、増税＆福祉切り捨ても、自衛隊が北朝鮮を侵略するための壮大な計画の一部 と考えれば、 分かり易くなります。
    ちなみに、 「米国新世紀プロジェクト」とチェイニー副大統領との関係については、こちらを参照のこと。
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  • ある元区議会議員の考え方（P45、若林ひとみ「本の広場（１）弁護士もいろいろ」）
    かつて私は、裁判とは“特殊な人”がやるものだと思っていた。それが、自分で何度も提訴することになったのは、情報公開でも公費の使い道でも、おかしいと思ったことを実際に変えるためには、自分の方が法的に正しいことを、最後は裁判所で立証するしかなかったからである。 “革新系”や“市民派”の議員の中には、議会で「けしからん、問題だ」といって、事足れりとしている人がいるが、これでは何も変わらないし、変えられない。
    ↓
    そうですね。「敵」（悪質な政治家や役人たち）は厚顔無恥ですから、言葉で非難されているだけでは、蚊に刺された程度にも感じないでしょう。やはり、現実を改善する 具体的な力 とするためには、裁判で闘うのが良いですね。
    「今年になって石原都知事他の豪華海外視察経費をめぐり、またもや提訴し、現在進行中」とのことですが、こちらの成果も期待しています。
    --
  • 「許す」ことが「利益」につながる（P52-、中山千夏「身の上下相談」）
    《相談》
    平和のための市民運動をしていますが、チームワークを乱す人や我が強い人とかがいて、ときどき疲れてしまうことがあるんです。イイコトやってるんだから、といってもわがままは許されないと思うんですが。市民運動の先輩として、ご助言いただければ、うれしいです。
    《解答》
    おおっと「許されない」とはつまり、あなたが「許せない」のですヨ。「許せない」はマズイ。同志はどこまでも許す。それが共生の鉄則でしょう。ワガママな同志も我が強い同志も、ブッシュや小泉よりはずっと良いはず。彼ら腹黒集団はなぜ分裂しないのか。限りなく許し合うからです。
    結束が自分の利益になる、という確信がある限り、相手のどんな欠点も無視する。見習いましょ。結束がみんなの利益になると思うなら許しましょ。
    ↓
    政治家や役人や体制側の人間は、「市民運動の力を弱めるためには、分裂させれば良い」と考えていますし、そのための様々な手を打ってきます。彼らの作戦に引っかからないようにしましょう。 小さな違いにこだわらずに、大きく団結しましょう。

2004年 12月 9日（木）

• 米兵ら1200人空輸　空自の輸送実績（毎日新聞・朝刊）
  クウェートを拠点に３月から、Ｃ130輸送機でイラクへ兵員や物資の空輸をしている航空自衛隊の輸送実績の全容が８日分かった。空輸した外国兵は延べ約1200人で、ほとんどが武装米兵。運ばれる米兵らが戦闘参加目的だった場合、憲法が禁じる他国の武力行使との一体化とみなされる恐れがあり、論議を呼ぶのは必至だ。
  ↓
  以上で全文という非常に小さな記事ですが、この意味するところは非常に大きいですね。
  はっきり言えば、「すでに自衛隊＝日本軍はイラク侵略に具体的に参加している」ということです。
  下の記事（12月5日）の小泉首相の発言は大嘘ですね。『二度と戦争をしない。中国に迷惑をかけない』ではなく、『日本は今、戦争をしている。イラクに迷惑をかけている』が正解です。

2004年 12月 5日（日）

• 靖国問題「Ａ級戦犯は分祀を」温首相、小泉首相に求める（毎日新聞・朝刊）
  ラオスで11月30日に行われた小泉純一郎首相と中国の温家宝首相の会談で、温首相が、小泉首相の靖国神社参拝に関連してＡ級戦犯分祀を求めていたことが４日、分かった。政府関係者によると、温首相は「参拝を中国国民は受け入れられない」としたうえで、「数千万人を惨殺したＡ級戦犯が祭られている。戦争犯罪者と心ならずも亡くなった一般の国民を分けるべきだ」と指摘した。これに小泉首相は直接答えなかった。
  会談では温首相は靖国参拝を取り上げ、「今の日中関係を困難にしているのは、日本の指導者の靖国参拝である。歴史をかがみとして対処していくことが重要だ」と批判。小泉首相は「私が参拝したのは、『二度と戦争をしない。中国に迷惑をかけない』との理由だ。日中問題を重視していないことは全くない」と説明した。
  ↓
  温首相の発言は、中国国民の気持ちを代弁しているだけではなく、日本国民の気持ちも代弁している点に注目です。戦争にかり出された一般の人々と、Ａ級戦犯（第２次大戦を計画し実施した、つまり日本全体を戦争に巻き込み、アジア諸国を侵略した責任者である当時の日本人指導者たち）が一緒に祀られている、という「権力による侵略のための装置」を小泉首相が毎年公式参拝しているという事実！！
  被害者と加害者を同じ宗教施設に入れて、首相が参拝しても、喜ぶのは加害者（自民党の先輩であるＡ級戦犯たち）だけでしょうね。被害者（日本人の一般市民）は、怒って当然です（先の大戦で日本人は３００万人も殺されたんですよ、Ａ級戦犯たちに）。

2004年 12月 3日（金）

• 『週刊金曜日（04/11/26）』より。
  • ぼくが同行した６回のレイド（強制家宅捜索）で実際に容疑者を捕まえたことは一度もなかった（P20-、高橋邦典「無実の市民がターゲットに　従軍カメラマンが見たイラク」）
    とばっちりを受けるのは、間違って踏み込まれる無実の一般市民である。ムサイブで行われたレイドでは、４人の女性と少年、それに老人が１人で寝ているところを急襲され、彼らはただ訳もわからずあたふたするばかりだった。
    喉の病気を患い声を出すことのできない老人が手振りで何やら訴えているのを横目にしながら、兵士たちは家中を乱暴に探索するが、何も見つからない。結局この家はテロリストとは何の関係もなかったことが判明するが、さんざん家の中を荒らしたあげくに兵士たちからは何一つ謝罪らしき言葉もない。
    おそらく家族で一緒に寝ていたのだろう、床に布団がきちんと並べて敷いてあったのが、その上を兵士たちは何の躊躇もなしに土足で踏みつけて去っていった。
    米軍の持つ情報の信憑性の低さはこの部隊に限ったものではないだろう。毎日のように行われているファルージャでの空爆などで実際に犠牲になっているイラク人たちの多くは、実はテロリストとは何の関係もない一般市民である可能性は高いと思う。…
    間違った情報によるレイドや爆撃によって害を被る無実の人々に対する弁明や謝罪もなく、蛮行を続ける限り、市民たちの信頼と協力を得ることはできないだろう。従軍をしながら、米軍にとっていま最も必要なのは、イラクの人たちを同じ人間として尊厳をもって接することなのではないだろうかと痛切に感じた。
    ↓
    米軍により毎晩行われているレイド（強制家宅捜索）の実態。なぜ新聞で報道されないのでしょうか？
    米英によるイラク侵略は、はじめからウソで塗り固められた蛮行ですから、「米軍の持つ情報の信憑性」などは限りなくゼロに近いでしょう。事実上すべてが「でっち上げ」で、米軍兵士は「無理やり作られた任務」を「（思考を停止して）忠実に遂行」しています。
    軍隊が持つ本質的な恐ろしさとして、「構成員が皆、思考を停止してしまう」という点も挙げられますね。
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  • 訂正記事を出さない『日経』『読売』『朝日』（P48、青木泰「プラスチックごみ報道　『日経』誤報に続き『読売』『朝日』も横並び」）
    『日本経済新聞』が７月に報じた、環境省がプラスチックを「可燃ごみに統一」という誤報（本誌10月15日号参照）に続き、『読売』、『朝日』も１０月、横並び報道を行った。この誤報によって、産廃プラスチック（廃プラ）の資源化の検討を行おうとしていた市町村の現場は大混乱に陥っている。…
    本誌で『日経』を誤報と指摘した後も、『読売』（10月20日）、『朝日』（10月21日）と誤報が続く中で、見るに見かねたのか『東京新聞』が社説（11月4日）で「廃プラ処理──“焼却のすすめ”じゃない」という見出しで「環境省は家庭から出るプラスチックごみのうち再利用できないものを焼却に回すよう、市町村に求める方針だ。だが、誤解のないように。これは焼却のすすめでなく、リサイクルの徹底が前提だ」と釘をさした。
    財務省の消費税２１％の発表のように最初、大げさに発表し、妥協したように見せて、実は狙い通りに事を運ぶ。報道機関はそうしたアドバルーン情報を検討することなく記事にし、官製情報のたれ流しをすべきでない。
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    イラクにおける米軍の実態はなかなか報道されないのに、こういう「誤報」はすぐに新聞で報道されるのですね。しかも、明らかに間違っているのに訂正されないという『日経』『読売』『朝日』の無責任さ。
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  • アメリカに追随すると国家は破綻する、の法則（P49、伊藤千尋「国際時転・ウルグアイ　独立１８０年にして初の左派＆反米政権誕生」）
    信じられない政治現象が１１月初め、南米でおきた。ウルグアイの大統領選で左派が勝ったのだ。「南米のＡＢＣ」と呼ばれるアルゼンチン、ブラジル、チリの３国や石油大国のベネズエラなどに加え、「南米のスイス」と呼ばれる金持ち国のウルグアイでさえ左派政権となる。今や南米の多くの国を反米左派が席巻してしまった。これは歴史的な出来事である。…
    中南米がアメリカに対して独自の主張をする時代となった。アメリカに追随した結果、国家が破綻した苦い経験を踏まえたからである。だが、同じ時代に我が日本の政権がアメリカに追随していると思うと、やるせない。南米では今、対米追随していた当時の政権はぼろくそに言われている。小泉政権もそうなるだろうなあ……。
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    「アメリカに追随した結果、国家が破綻した」という前例が多数あるということですね。